textⅢ
□my little darling
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ロックオン・ストラトスには恋人がいる。
今まで、刹那的な恋…というより生理的欲求を満たす程度に人付き合いをしてきたつもりだが今回は何もかもが違っていた。
今まで付き合ってきたのは、万一にも面倒なことにならない遊び方を心得た年上の相手が多かった。
甘やかしなれた年上の男女のもとをひらひらと飛びまわっていたはずなのに、自分にもまだ「恋心」とやらのこっ恥ずかしいものが残っていたらしい。
恋人の名は刹那・F・セイエイ。
初の年下！
金銭も、遊び心もない真剣なお付き合い。
昔ロックオンを甘やかした者たちがみたら、きっと指をさして笑うに違いないというくらいには年下の恋人にぞっこんだったりする。
「ロックオン」
刹那の声は気持ちがいい。
吹き抜ける風のように静かで、でも確かに肌を撫で、胸を通り過ぎていく高すぎも低すぎもしない声。
刹那に名前を呼ばれるのはロックオンの秘かな快感。
この世界を的にした喧嘩が終わったら本当の名前を呼ばせたいと思う程度にお気に入り。
声に灯ったかすかな熱がロックオンの中にくすぶる熱に火をつけてしまいそうな位。
「なんだよ刹那」
年甲斐もなく、ドキドキしているなんてかっこ悪くて見せられやしない。
いつでも落ち着いた年上の男でいたい。
刹那と過ごす夜は情熱的。体ががくがくになるまで揺さぶられると脳の奥までジンとして痺れていく。
経験豊富なお兄様としてリードできたのなんて最初の何回かだけで、野生の勘かと思うくらい刹那はセックスが上手。
上手というか…求められてるな～って嬉しくなっちまう。
そして、そんなに情熱的なのに俺が「好き」って言うたびにちょっと照れてるとこも好き。
照れた顔が見たくてしょっちゅう言っちゃうくらい好き。
そう考えると。どんだけ惚れてんだよ俺って感じだけど、何よりそんな自分が悪くないって思ってる自分が本気で始末に負えない。
「お、ちゃんとミルク飲んでるな」
「…ああ」
最近の刹那は毎食後にミルクを飲むのが習慣。
俺と付き合いだしてからの習慣がなぜかって？
絶対刹那は認めたがないけど、原因は明白で、刹那は俺より背が低いのをとても気にしている。
俺にとって恋愛って互いに程よく寄りかかれればいいんじゃない？って思うけど、そこんとこ刹那は真面目で、俺を守る対象として見ている…気がする。
20歳超えた男にそんな…と思うけど、気持ちがうれしいから知らん顔。
適当に遊んできたころは、束縛とか重くて嫌だったのに、刹那の束縛は重くなればなるほど心地いい。
…だから、べた惚れすぎだって俺…
まあ、刹那も成長期だしお年頃だし抱く相手より小さいのが気になるのはしょうがないかな～とは思うけど、ミルクを飲ませようとするたびにいやな顔をしていた刹那の顔が見れないのもさみしい…
いつかは大人になっちまうんだし、もうしばらくは可愛い刹那でいてくれったっていい気がする…というのが俺の主張。
でも、さすがに俺がそれを言うとな…と思ったけど今日の俺は一味違う。
最近遠まわしに「そんなに頑張らなくても…」というメッセージを伝えたけど全くキャッチしない刹那への最終兵器を投入することにしたのだ。
そのために俺は、ミルクを手に取った刹那に自分ができる限りの艶やかな顔（…って自分で言うのもどうよ）をして見せる。
途端に刹那がほんの少しくぎづけになってくれてるのがわかって俄然やる気がわいてくる。
対刹那用必殺の首を斜め45度に傾け、耳元にかかる髪をかきあげながらそっと顔を近づけて
「そんなに急いで大きくなるなよ…刹那が大きくなったここのベッドで一緒に寝られないじゃないか…」
そっと一言。
「………」
固まってる固まってるｖｖ
ほんのり赤くなった耳たぶが可愛くてかじりつきたいけど、それはさすがに大人としてどうかと思うので自制。
「ただでさえ一緒にいられる時間も短いのに、夜くらい一緒にいてもいいだろ？」
とどめに色づいた耳元でそっと囁き丸めこみ完了！
「…ロックオン…それは俺に対する挑発と受け取った」
これで、気持ちのいい夜も今しばらくは小さくて可愛いまま愛でられる恋人を死守して万事解決。
「楽しみにしてるぜ」
5年後10年後の刹那を想像するとすっごくおいしそうではあるけど、今のおれの恋人は紛れもない現在の刹那。
恋人の成長を間近で見られる贅沢なんてそんなに味わえないんだから、もう少し楽しませろよ 刹那ー。
ぐはっ！！同じ身長ネタなので「つむじ」とかぶらないように思い切って兄貴を小悪魔にしちゃえ！と思ったのですが、兄貴大暴走です！3223HIT一条緋月様よりいただいた「刹ロクで、身長がロックオンより小さいことを気にする刹那と、小さくてもいいのにと思うロックオン」でしたが、ほとんど会話もなし！兄貴独走で申し訳ありません（汗）私の中の兄貴は分裂を繰り返しもはや原形をとどめておりません（滝汗）
一条様素敵リクエストをありがとうございました！！