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□シンデレラパロ
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煙の中から現れた、とんがり帽子をかぶった仏頂面の少年。
その少年を見た途端、シンデレラの胸はキュンと高鳴りました。
優しい優しいシンデレラは、子どもが大好きでしたのでまだ温かい料理で(自称)魔法使いを歓迎しました。
「どうだ?うまいか?」
ニコニコしながら料理を勧めるシンデレラに、次々料理を食べながらコクリと頷くと、シンデレラはそれはそれは幸せそうに笑うのです。
「お前の願いを叶えてやる」
一通りの料理を食べ終え、食後のホットミルクを飲みながら魔法使いは言いました。
すっかり料理に夢中で忘れていましたが、最初から魔法使いはそのために来ていたのです。
「願い…?新しい鍋が欲しいとか?」
しかし、どこまでも心のきれいなシンデレラはこれまで出会ったどの人間とも違う答えを返すのです。
魔法使いは困惑しました。
なぜなら、魔法使いはシンデレラを幸せにするために馳せ参じたからです。
「なんでもいい。願いを言え」
シンデレラは特にない、と思いましたが、自分のために必死で聞いてくれる魔法使いの為にもと必死で願いを考えました。
そして、思いついたのは…
「俺、お城のパーティーに行きたい!!」
だったのです。