短編小説
□30000キリ番リクエスト
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「─…恭平さん、、、か。」
新しく携帯のアドレスに登録されたソレを、お風呂上りに髪も乾かさないままの状況でベッドに寝転がりながら眺める。
何度も、何度も、彼≠アと、恭平さんの名前を人差し指でなぞる。
・・・夢みたいだ…
今日のあの時、偶然に電車が遅れなければ、私は明日も彼≠眺め続けてたかもしれない。それなのに、今は。
私の携帯に彼≠フ名前が表示されていて。下のほうにアドレスが表示してあって。・・・番号は、私が聞かなかったから、そのまま。
「それでも、充分だって、」
不思議と満たされた気分になって。携帯を静かに折りたたんで、ようやく髪を乾かすことにした。
「・・・・、」
髪を乾かし終わって再びベッドへ行くと、メール受信を知らせるランプの色が点滅していた。
・・・別に、これが恭平さんからだとは決まっては居ないのだけれど。でも、不意に鼓動が跳ねてしまう。
コレが恋って奴でしょうか?
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