＼おはなし！／
□純情action
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※乙女デレ全開
謙也さん、大好き
染めてキシキシな髪とか
意外とおっきい手とか
誰にでも優しいところとか
裏表がない気さくなところとか
笑った顔とか
「ひかる」って呼ぶ声とか
ヘタレなところとか
たまにかっこいいところとか
全部、全部、大好き
普段はこんなこと言えへんから
今日だけチョコレートの力を借りて
あなたに伝えたいな
純情action
ガラにもなく手作りチョコレートっちゅーものを作ってしまった
甘いもんが苦手な謙也さんのために、甘さ控えめのビターチョコを使ったやつ
小春先輩と白石部長にそそのかされて、つい…
(こんなん…、恥ずかしくて渡されへん…)
でも
謙也さんならきっと喜んでくれるやろな
きっと「ひかる、ありがと〜」って嬉しそうに笑って抱きしめてくれる
…謙也さんが喜んでくれるならこんなん安いもんやけど
けど
謙也さんは何だかんだでモテるから
今日沢山チョコレートを貰うだろう
(…別に貰うなってわけやないけども、)
その沢山貰ったチョコレートのうちの１つになるのがイヤだ
謙也さんは優しいから、きっとみんなのチョコレートを貰ってしまう
去年なんて白石部長に渡せなかったチョコレートまで貰ってたし
謙也さんは天性のお人好し
(…やっぱり、渡すのやめよ)
俺は渡すはずのチョコレートをカバンにしまった
昼休み
いつも通り謙也さんのとこ行こうとしたら、クラスの女子の会話に驚いた
「ショックや〜、忍足先輩チョコ貰ってくれんかった〜」
「え〜」
「めっちゃ頑張ってチョコ作ったのに〜」
「忍足先輩、今年チョコ全部断ってるらしいで」
「なんで〜？彼女おるん？」
「なんか『めっちゃヤキモチ焼きの恋人』おって「俺その子んことめちゃめちゃ大好きやから、ごめんな〜」って隣のクラスの子が言われたらしいよ」
「ショックや〜」
「でもかっこええ〜」
なにそれ
(俺、「あげる」て一言も言うてない)
(全部断ってる、て)
(誰にでも優しくて、お人好しな謙也さんが)
(謙也さん)
(謙也さん)
(謙也さん)
『めちゃヤキモチ焼きの恋人』て、
『めちゃめちゃ大好き』て
俺のことですか？
「お、ひかる〜待っとった…で、て、えええええ！！？」
謙也さんに早く会いたくてめっちゃ廊下走った
見たらたまらんくなって思いっきり抱きついた
「ひ、ひひひひひひかる！？」
謙也さんは動揺しとったけど、ちゃんと抱き返してくれて
しばらく黙っとったら頭とか背中とか撫でてくれた
「ひかる？どないしたん？」
「……。」
「甘えたい気分なん？なんかあった？」
「……謙也さん、」
「ん？」
「今年、チョコ貰わんの？」
そう聞いたら、
謙也さんは突然俺を引き離して、顔真っ赤にしながら「どっから聞いたん！？」て言った
「クラスの女子が…、あと、ここくるまで廊下で色んな人が噂しとりました」
「あぁ〜」
「…ヤキモチ焼きの恋人がめちゃめちゃ大好きだから、て」
「う〜わ〜…、恥ずかしい〜…」
「恥ずかしん？」
「恥ずかしいやん、その恋人に知られたら」
「……俺、めっちゃ嬉しいですよ？」
そう言って、カバンからガラにもなく可愛く包装された箱を取り出した
「え？」
「…めっちゃヤキモチ焼きで謙也さんがめちゃめちゃ大好きな恋人からです」
「……ほ、ほんまに？」
「……手作りッスわ」
謙也さんの好きな赤と白のラッピング
小春先輩から教わって頑張ったんですよ？
「どうしよう…ヤバい…めっちゃ嬉しい〜…泣きそうや…」
「…どんだけッスか」
謙也さん、俺も嬉しい
謙也さんが喜んでくれて
ほんま嬉しい
誰にでも優しい謙也さんが俺のこと特別扱いしてくれて
嬉しくて死にそうや
「ひかる…めっちゃ好き、大好き、ほんま大好き」
「…はい、」
「好き、大好きや…お前んこと好きすぎてどうにかなりそう…」
抱きしめられて
全身に謙也さんの好きが伝わってきて
俺はどうしようもなく謙也さんが大好きだと思った
「謙也さん、」
「ん？」
「俺の気持ち、チョコに全部こめましたからね。ちゃんと全部食べて下さいね」
「…アカン。なんでお前そんなん可愛いの…」
また強く抱きしめられて
甘くキスされて
耳元で「チョコより先に光もろてもええ？」って聞かれた
アホやなぁ、謙也さん
大好きな謙也さんのお願い
断わるわけないですわぁ
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お互い大好きすぎる２人
やまなしおちなしいみなしなゲロ甘話でした(笑)
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