\おはなし!/

□あいどんわなだい
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「俺に言いたいことがあるならハッキリいいなせぇ」

「……。」

「土方さん」

「……総悟」

「へぃ」

「…あ、あのな」

「なんでさぁ」

「……。」

「……俺、行きますぜぃ」

「ちょっ、ちょっと待て!言うからっ」

「早くしなせぇ」

「……総悟」

「はい」




「………一緒に見回りいかねぇか」

「………いいですぜぃ」






こんなことにまで照れて恥ずかしがる

俺の可愛い恋人





























「つまりデートのお誘いですねぃ、土方さん」

「ちげぇええ!!!」



そんな真っ赤な顔しても可愛いだけっていいのがわかんねぇのかなぁこの人は

タバコくわえてパトカー運転する土方さん、耳まで真っ赤でさぁ



「じゃぁ見回りくらい普通に誘んなせぇよ」

「…ふ、普通に誘ったじゃねぇかっ」



明らかに照れてたくせに…



照れ屋で恥ずかしがりやでプライド高くて

でも寂しがりや



「でもいいや。土方さんがこうやって誘ってくれたから2人きりになれたし。デートじゃなくても俺は満足でさぁ」



だから俺は
この照れ屋で恥ずかしがりやで寂しがりやなこの人のために

ガラにもなく素直な気持ちを伝えてやる



本当は俺だって照れ屋で恥ずかしがりやなんですぜぃ?



「……総悟…」

「…へぃ」

「……。」



ほら

素直に気持ちを伝えると

アンタはこんなにも喜んでくれる



全く乙女な人でさぁ



「土方さんカーワイー」

「な…っ、」



赤信号で止まったのをいいことに、運転席に座る土方さんの肩に頭を預けた



「そ…っ」

「好きです」



ああ、道行く人がこっちを見てる

真っ赤な顔した鬼の副長とイチャつく俺を



「愛してます、土方さん」



構わない

アンタをこうして独占出来るなら

街中に見られたって全然構わない



むしろ『土方さんは俺の』ってスピーカーで言い触らしたいぐらいでさぁ



ハンドルを握る左手が俺の右手に落ちてくる



照れ屋で恥ずかしがり屋なこの人の精一杯の返事



『俺もだよ』



ああ、なんて可愛い人

俺の愛しい愛しい土方さん



「こうやっても、きっと俺の方がネコだと思われてるんだろうねぃ…」

「……。」

「でも実は土方さんの方がネコっていうね(笑)それはそれで萌えー(笑)」

「なんだその(笑)ぃいいいいい!!!」



信号が青に変わる



土方さんの肩から頭をよけるが、手は強く握り返してそのままにした



ここから俺の気持ちが流れこめばいいのにな



愛してますぜ、土方さん











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