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□ある日のこと。
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『ありがとうございます。』


切「別に気にすんなって。」


笑いあって学校へと歩く。


仁「赤也、真田が呼んでるぜよ。」


校門付近を走っていた仁王は校門をくぐり抜けてすぐの切原に声をかける。

これも結構よく有ることだ。


切「うげ。


ノドカ、またな」


切原は全く気乗りしない様子で走っていった。


仁「ノドカ、おはよう。」


『おはようございます。

ランニング、しないんですか?』


仁王はノドカの隣を歩く。


仁「もう終わったんじゃ。」


このやり取りも最近ではよく有る。


『そういえば、仁王先輩、昨日、大学部の先輩に告白されてたのって本当なんですか?』


そう言うとニッと、どことなく色香の有る笑みを浮かべる。
これだけで仁王に堕ちる少女はかなり多いだろう。


…かなり多いとだけで、全員。では無い。

ノドカはその笑みを見ても何も思うことは無く。


仁「だったら?」


『ウチのクラスの子達が話してたので、どうなのかなって。』


仁「まぁ。告白は本当じゃな。

断ったといたぜよ。」


『好きな人いるんですか?』


仁「どうじゃろうな?」


質問をかわされた。特に答えはどっちでも良かったが。

ノドカは、


(…モテるって言っても、好きな人がいるってことにはならないよね…。)


本人はものすごくモテたりするが、告白されたことが無い。


ノドカと幸村達の違いというのは、こういう所だ。

ある意味、身近な存在の幸村達。…ある意味。


ノドカは美少女にしても近寄り難いとかいうよりかはその穏やかな容姿から親しみやすい方だが、美少女っぷりが一流のアイドル、女優、モデルよりも度を超えているので告白されない。
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