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□風邪をひいたら。
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ん…。…あれ?

私は目を覚まし、自分がどこにいるのかと見回した。

体を起こそうとしたけど、ダメだった。

いつのまに家に帰ってきたのかな…。


…………。


えと、真田先輩の前で倒れて…真田先輩が保健室に運んでくれて





多分、柳先輩がリョーマに連絡を取ってくれて





黎弥兄さんが家まで車で運んでくれた…?

私は喉が渇いてしまったから、水でも飲もうと思い、ベッドから出た。


クラ。


目眩がして、私は床に膝をついた。


…風邪をひくのって本当に久しぶり…。

この調子だと、明日学校休まないといけないな…。

私は床に座り、ベッドに頭をのせた。

頭痛いな…。

それに、なんだか寂しいし…。


リョーマ…。


家族のみんなは大好きだけど、やっぱり、こんな時側に居て欲しいのは、リョーマ。


ガチャ。


香「ノドカ、起きて…たか…。」


香兄さんがお粥を持って入ってきた。


黎「具合どうだ?」


やっぱり黎弥兄さんが運んでくれたんだ…。


黎弥兄さんは床に座る私を羽でも持つみたいに抱き上げてベッドに寝かせた。


香「リョーマがもうすぐノドカは目を覚ますって言ってさ…、母さんがお粥作ったんだよ。」


黎「食べれるか…?」


黎弥兄さんは私の熱を計りながら言った。


『うん。食べれる。』


早く良くなって、学校行こう!!


お粥を食べてお薬を飲むとまた眠くなった。


あれだけ寝たのに…。


リョーマ。


会いたいな…。


リョーマ…。


私はリョーマのことを考えているうちに眠った。





ノドカが寝息を立て始めると、香は起こさないように気を付けて部屋を出た。


黎弥はノドカのベッドの横に座り、寝顔を見つめた。


(こういう時はいくらでも甘えてくれ。

リョーマには遠く及ばないだろうが、俺だってお前の兄なんだからな…。)
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