Another

□キミの虜になった時。
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ゆらゆら。


紙コップから立ち昇る湯気をそう表現しかできない自分のボキャブラリーの無さに、呆れるより滑稽な気がして。


思わず笑った。



すると、やっぱりと言うか……目の前に座る彼女は胡乱気な目をした。



昼休みのカフェテリア。


しかも、二人だけで同じテーブルにいるんだから、笑顔を見せてほしいのになぁ。


なんて、思ってみた。



椿「何一人で笑ってんの?」


柾「自分の頭の悪さに笑ってただけだよ。」


正直にそう答えたら、顔を顰めて返された。


椿「……それって、他の人が聞いたら、ただの嫌味よ。」


柾「へぇ?」


わざと判らないフリしてとぼけると、椿ちゃんは睨んできた。


椿「テストの時、必ず学年で10位以内に入ってる人がよくもまぁそんなコト言えるわよね。


…テストの成績と頭の良さがイコールだとも思えないけど。」


柾「だよね。」



椿「こんな男に熱を上げる女の子達が可哀相…。」


本気で悲しんでるし…。




……こんな男、って言葉はスルーしよう…。



椿ちゃんに何言っても、今はまともに聞いてくれなさそうだなぁ。



熱を上げてる。


否定しないよ?


俺がデートしてきた女の子達はみんな俺のコトが好きとか、愛してるって言うからね。
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