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□風邪の日
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倒れたノドカを真田は抱き上げ、保健室へと運んだ。

保健室には人がおらず、真田は空いていたベッドにノドカを寝かせ、濡らしたタオルを頭にのせた。


真「息が速いな…。

無理をするからだ…。

ノドカ。」


いつもとは違う優しい声で言い、ノドカの顔に思わず触れそうになる手を慌てて引っ込め、寝顔を見つめる。

その整った顔立ちの頬は赤く、息が速い。

相当苦しいようだ。

真田は保健室の先生を捜しに行こうと踵を返した。



く。


後ろから引っ張られる感覚がし、真田は振り向いた。



ノドカが眠ったまま真田の制服を掴んだのだ。


真「…。ふっ…。」


最初驚いていたが笑みをこぼし、真田はノドカの手を制服からはがし、握った。


真「蓮二に保健室の先生が何処にいるか聞くか…。」


真田は携帯を取り出し、柳に連絡を取った。


真「後、もう少しだ…。ノドカ。」


昼休みが終了するチャイムが鳴るのと同時に柳と保健室の先生が入って来た。真田は慌てて手を離した。

その後ろから幸村達も入って来た。

ノドカを見ると全員の顔が青ざめた。


「大丈夫。

ちょっと熱が高いけど…、今日と明日、ゆっくり休めば良くなるわ。」


先生が言うと、安堵の溜め息が出た。


桑「ノドカの兄貴達に連絡って取れないのか?」


柳「貞治にさっき連絡したから、越前が来る。

香の方へは越前から連絡するよう頼んだ。」


柳生「翡翠さん達には?」


柳「越前が連絡するだろう。」


「さ!君達は授業に行きなさい!

彼女のことが心配なら授業が終わってから来なさい!」


その言葉に、


切「サボったらダメっすか?」


「ダメ!」


全員、授業に真面目に出席した。
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