11/02の日記
01:25
理不尽(ジョニチプ/MU)
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これは決して俺の謬見ではない、とチップはにらんでいた。いつからか、ジョニーは香水の香りを纏うようになった。チップはジョニーが香水をつけないことを知っているため、それが彼のものではなく、移り香であることに気が付いた。また、これが人と会って話すくらいで付くものではないことをチップは知っていた。「浮気」この二文字がチップの頭を過ぎる。「彼は浮気をしている」その事実を確かめるべく、ジョニーに問い詰めると、彼は悪びれることなく認めた。
「別にいいだろう。女を抱いたって」
「…俺がいても、ですか?」
「あぁ」
「あ、そう。分かりました」
「…、…物分りの良い奴は嫌いじゃないぞ」
「…ありがとうございます」
一瞬、彼が悲しげに瞳を閉じた気がした。が、彼が悲しむ理由は何1つない筈だ。気のせいだろう。チップはそう思うことにして、彼のもとを離れた。
彼との会話を思い出して、ふつふつと怒りが体を支配する感覚を抱く。あの野郎、馬鹿にしやがって。何が別にいいだろう、だ!全っ然良くないっつーの!と、チップは内心で悪態をついた。こうなったら、同じことをしてやる。身をもって知るがいい!と、チップは意気込む。丁度良く、今夜はJΘXでパーティーが行われる。絶好のチャンスだ。チップは薄く笑った。
「何をしようとした」
ジョニーはチップの胸倉を掴み、普段より低い声で詰問した。チップは何故自分が責められているのか分からなかった。
「あ、アンタの真似をしようとしたんです!別に良いでしょう、アンタもやってるんですから!」
チップはジョニーのあまりの剣幕に狼狽える。彼が何故こうも激昂するのか、チップには疑問に思った。俺のことなどどうでもいいんだろう。だから浮気した。なのに、何故。ジョニーの意図が分からず、様子を伺うために彼を仰ぎ見る。彼はいつもの自信に溢れた顔ではなく、苦々しげな表情を浮かべた顔であった。
「…俺は、いいんだ。お前は俺だけを見ていろ」
非常に理不尽だ。しかし、彼の表情を見たチップは反発出来ずに、「すみません…」としか言うことが出来なかった。
Fin.
ジョニチプ!好き!!
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