成り代わり

□先生が殺せない!
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「遅刻無し…と」
先生の顔が光を放ち、○が浮かび上がる
「素晴らしい!先生とてもうれしいです」


言い忘れていたけど、僕達は殺し屋だ
…一時的だけどね


標的は、先生
殺さないといけない理由が有るんだけど、それはまた今度。


「残念ですねぇ、今日も命中弾ゼロです」
ニヤ…として先生が言う

「数に頼る戦術は個々の思考をおろそかにする」
「目線」
「銃口の向き」
「指の動き」
「一人一人が単純すぎます」
「もっと工夫しましょう、でないと…





最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ」

それを聞いた生徒の一人が声を上げた

「本当に全部よけてんのかよ先生!どう見てもこれただのBB弾だろ?」
「当たってんのにガマンしてるだけじゃねーの!?」
それを皮切りに、「そうだそうだ!!」とクラス全体からブーイングが起こる

「…では弾を込めて渡しなさい」
先生が近くにいた女生徒にそう言い、渡された銃を、自分の腕(触手)に向ける
「言ったでしょう、この弾は君達にとっては無害ですが…」

言葉をそこで切り、自分の腕を撃った

パンッ
ドブチュッ!!
先生の腕が弾け飛ぶ

「国が開発した特殊弾です」

床に落ちたソレは、蜥蜴の尻尾の様にビチビチと跳ねている

「先生の細胞を豆腐のように破壊できる。ああ、」
先ほど吹っ飛んだ筈の腕が、ズリュンと生えてきた
「もちろん数秒あれば再生しますが」

気持ち悪い、と思ってしまっても仕方がない光景だろうと思う
先程のアレを見て、若干引いている人もいるみたいだ

「だが君たちも目に入ると危ない。先生を殺す以外の目的で室内での発砲はしないように」

「殺せるといいですねぇ、卒業までに」
言うと同時に、先生の顔にボワァ、と緑の縞が浮かぶ

と、そこにベルの音が響いた
キーンコーンカーンコーン
「銃と弾を片付けましょう。授業を始めます」

椚ヶ丘(くぬぎがおか)中学校3ーEは暗殺教室



始業のベルが今日も鳴る





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