青の長編

□夢と逢瀬と癒しと人の欲望と
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「最新のニュースやトレンドを!」


「恋しい相手のすべてを!!」


「来週のアニメ・マンガ・ドラマの続きは!?」


「この路地を曲がったらどこへ続いているんだろう?」



「『此の先にある答えを知りたい』!!
その根元的欲求で人間は生まれてから死ぬまでに、大量の知識を浅ましく貪って生き続ける!」


「きっと真夜さんも知りたいはずですよ」



「この宇宙の真実を!!!!」


「そもそも物質界と虚無界とは?
何故このように在るのか!?」


「人間とは
悪魔とは何か?」


「そして」



「自分自身の顛末を」


メフィストが指を鳴らせば、大きな光が照らされる


見えたのは正十字騎士団地下本部だ


「ほうら、あそこにも
それらの知識に飢えた青年が一人――」



「貴女も見るといい
そして彼らを通して知りなさい」



「真夜さんの中にも知識欲が醜く存在しているという事を」


まるで光に溶け込むようにメフィストは消えた

目をやれば、上級祓魔師達が誰かを尋問してているのが窺える


その尋問を受けているのは…


「一、本会議中の質問を一切禁ず
二、本会議の内容の口外を一切禁ず
この二項を理解できたら“モリナスの契約書”に血判を」


「…………
…………
……はい」



彼は親指に軽く針を刺すと、契約書に少し溢れてきた血を押し付ける


「君の名前と所属を述べなさい」


尋問を受けているのは雪男だった



「日本支部所属、奥村雪男
中一級祓魔師です」

「君には今から藤堂三郎太について、報告書の補足説明をしてもらう」

「はい」



「藤堂を含む悪魔喰いは構成員で、ほぼ間違いないだろう
君との戦闘中、それを臭わせるようなそぶりは思い出せるかい?」

「いえ…
戦闘に必死で」



「しかし常により大きな目的がありそうな口ぶりでした
結局、聞き出せませんでしたが…」


「ふーん……
藤堂ってどんな男だった?」

「…え?」


「どんな、というと?」

「君の主観で構わないよ!」


雪男に質問しているのはペンを弄んでいるライトニング…ルーイン・ライトだった


“詠唱・召喚儀式の達人”-ライトニング-と呼ばれる四大騎士の一人と謂われている

彼を“ライトニング”と呼ぶ者がいるのは、その腕こそなのだろう
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