青の長編

□葛藤と門と仲間と闇と初めての友達と
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「虚無界の門だと…!?
虚無界の門はサタンにしか作れないはず
では、ここにサタンが現れたという事か!?」


ロシアにある加速器の実験施設にて…

そこでシュラ達は小さな虚無界の門を発見した

黒くて禍々しいそれを「虚無界」と言い放ったのはライトニングだ

「いや
これは人工的なものだよ」

「!!???」


さらに目の前にある虚無界は、サタンにではなく人間の手で造られたと彼は言う


「馬鹿な…!!」

「おい…
アレ広がってないか!?」


さらに小さな虚無界の門は大きさを増し、その度に悪魔達が集う


「ザコですが悪魔達もどんどん増えてます!」

「このままここにいるのは危険じゃないかな
エンジェル」


「この門を塞ぐことは出来ないのか!?」

「…少なくともぼくらでは無理だろうね
専門家に見てもらった方が早い」

「!!」


ライトニングの“専門家”という言葉にエンジェルの頭は一気にその人物を過らせ不快な顔を浮かべる


「メフィストか…!」


「キミは彼の力を借りるのが不本意なんだろうけど
ぼくらは……」

「判っている!!」



「聖天使團、総員退避!!!」


エンジェルを先頭にシュラ達はその場を離れる事にした


「ったく
嫌な予感がしたんだ!」

「いやあ
ぼくも驚きだよ」



「まさか現在の科学力で実現可能だったとは!!」



「しかし
ぼかぁ、これで敵の目星がついたね!」


ライトニングはワクワクした顔で笑っていた



―――……



正十字騎士團日本支部――悩み相談窓口


「台所の排水溝から黒いツブツブしたモヤが出てて…
最近見えるようになりましたのよ」

「毎晩、枕もとに…!!」

「呪われてるんです!!」


そこでは今日も悪魔に悩まされている一般人に埋もれていて、雪男もそれの対応に追われていた


「とにかく、排水溝をよく掃除して、この聖水を落として5分置いて流してください
漂白剤の要領です」

「はあ…」


雪男は聖水を不安そうな顔をする婦人に渡してニコッと笑顔を見せる


「大丈夫ですよ
それでもまだ見える場合、またご相談ください」



(今まで一人も相談者が来ない日だってあったのにここ数日、どうなってるんだ?)



(今日中には医工部へ行って検査を受けないと)


なんとしても今日は検査を受けなければ…



藤堂との戦いで起きた自分の異変が気になる…


そんな雪男の考えを中断させるようにポケットの携帯が震えた


「はい、奥村」

『奥村先生
お忙しそうですね』

「何でしょう?」


(フェレス卿…)


電話の相手はメフィストだった


『支部長命令です
貴方は今すぐ塾講師に戻っていただきたい』

「!」
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