青の長編

□遊園地と奇襲と監察官と誘惑と
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「へ…
変じゃないかな?」


「えーよ、えーよ!
杜山さん、かわえーよ」

「あ…
ありがとう!」


慣れない制服に赤面するしえみ


着物で隠れていたのか、胸がやけに大きい



男達は彼女にメロメロだ


「な…
なんつーか
真夜ん時もそうだったけど、スカート短すぎるんじゃねーの
なあ雪男」

「何故、僕に振るんですか」


兄に振られ、雪男は眼鏡を掛け上げる


「何だよ
お前だっておっぱい見……」



燐が何かを言う直前、雪男はファイルを兄の顔面に叩きつけた


「いってえなッッッツツ、メガネ!!」

「えー、では全員そろったところで、二人一組の組分けを発表します」


じんじんする顔面の痛みに弟に声を荒げる燐だが、雪男は無視して組分けを発表し、任務内容を候補生達に説明する



「今回はここ――
正十字学園遊園地――通称『メッフィーランド』内に霊の目撃・被害が入ったため」


「候補生の皆さんにその捜索を手伝ってもらいます」



「霊の定義を……
――では、神木クン!」

「はい!」


確認のため、霊―ゴースト―の存在理由を説くよう体育・実技担当の椿が出雲を指名する



「霊は、人や動物などの死体から揮発した物質に憑依する悪魔で……
性質は大抵、死体の生前の感情に引きずられるのが特徴です」



ゴーストの定義を説く出雲

そして今回のゴーストの詳細を雪男が説明する



「…この霊は、ランド内のいたる所で目撃されており、出現場所を特定できないタイプ
外見特徴は“小さな男の子”で共通
被害は現在“手や足をひっぱる”程度
…ですが、このまま放置すると悪質化する恐れがあり、危険です」



「先ほど分けた二人一組で方方に散り、日暮れまでの発見を目指します
見つけたらすぐ椿先生か、僕、奥村の携帯に連絡すること
質問がある人は挙手して下さい」


「外見の特徴はもっと他にないんですか?」

「見つければすぐそれと判るので説明不要だネ」



雪男の言葉に真夜が挙手し、椿が答える


その様子をジェットコースターの線路から影が見ていた事は誰も気付いていない



「…では、他に質問がなければ
――以上、解散!」


いよいよ“候補生”として本格的な任務が始まりを告げ、真夜はフードで顔を隠した少年…山田と組む事になった
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