青の長編

□寺と野望と犬猿と優等生と
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「私、自信あるよ!
得意分野だもん」


「神木さん」

「はい」



プリントが返される中、しえみは得意気な顔で真夜と燐に話す


「杜山さん」

「は、はいっ!」


すると雪男に呼ばれ、シャッと席から立ち上がった


だが…



「植物にオリジナルの名前をつけるのはいいですが
テストでは、正確な名前を覚えて書いてくださいね
それがなければ多分満点だったかも」

「!!!」


結果は41点だった



しえみは肩を落としている


「ぶっはは!?
得意分野なのにな!」

「大丈夫!次があるよ
だからそんな…「藤本さん」…!はい」



大笑いする燐の後ろで苦笑いしながらしえみを慰める真夜だったが、名前を呼ばれて立ち上がる



「十分ですが今のままで満足せず、少しずつ上を目指してくださいね」

「ありがとうございます」



結果は90だった


満足の結果だ



「おお!?
スゲーじゃん!真夜!」

「真夜ちゃん、すごい…!」


燐としえみは真夜に尊敬の眼差しを向ける


「奥村くん」


今度は燐が呼ばれる


点数は2点だった



「胃が痛いよ……
どうする気なの、それ……」

「……
スンマセン」



苦笑、微笑と続いたが兄の結果に雪男の声は少し怒気が入っていた


燐は謝罪しつつ席に戻っていく


「勝呂くん」

「はい!」



名前を呼ばれ、立ち上がる勝呂


そして席に着く燐を睨むように見下ろした



「2点とか狙ってもよう取れんわ
女とチャラチャラしとるからや
ムナクソ悪い…!」

「は!?」


勝呂は燐に悪態を吐くだけ吐いて雪男に近づいていく



(な…なななんだ、あのトサカ…!
チャラいのはてめーだろ…)



そう動揺しながらも勝呂を睨む燐だったが…


「よく頑張りましたね、勝呂くん」


(な…ん…だと!?)



勝呂は98点という高得点だった



「ばば
ばかな
お前みてーな見た目の奴が98点とれるはずが…
常識的に考えてありえねーよ」



あまりの意外性に燐は驚きを隠せない


その言葉が勝呂の逆鱗に触れた



「なんやと!
俺はな、祓魔師の資格得る為に本気で塾に勉強しに来たんや!!」



「塾におんのは、みんな真面目に祓魔師目指してはる人だけや!」

「!!」



燐に声を荒げる勝呂


彼の言葉にしえみが小さな反応を見せたが誰も気付かない
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