青の長編

□寺と野望と犬猿と優等生と
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しえみが入門した翌日の授業…



涎を垂らした燐は、半開きで寝ていた



「…村くん
奥村くん」


「スキヤキ!?」


そして教員の声でハッとする


「………
起きなさい」


「ス
スンマセン」



クスクスと小さな笑い声が聞こえる中、少し顔を赤くして謝る燐



その後ろで真夜も小さく微笑むが…



「なんや、アイツ
何しに来てん」



背後から声が聞こえた


見るとそこには、髪の一部を染めて逆立たせている不良っぽい生徒



「いねや!」



燐を睨み付ける京都弁の不良生徒



(…アイツ…そういえば初日からガンくれてたな
気合い入ってんなー、あの髪…
カッケェ
みるからに反抗期…)



(昔だったら、ここで睨み返して後でケンカするパターン
でも俺は、あーゆーヤカラには関わらねーぜ?
真夜もいるし、祓魔師になるって決めたからな…!)




「フフフ……」

「奥村くーん!
しっかり!」



頭の中で祓魔師になった自分を思い描きながら再び眠りに落ちる燐



「……
…チッ」


そしてまた不良生徒は燐を見て舌打ちする




(……
勝呂 竜土、君…だよね、確か…)



真夜は教科書のページを捲りつつ目で不良生徒…勝呂 竜土を見ていた




そして、次の授業の『悪魔学』…




「“腐の王”アスタロトの眷属で、最下級の悪魔の名前は?
奥村!」

「えっ
あー…
えー…と
見たことないもんで、その…
真夜、わかるか?」

「…コールタール…」

「魍魎だ!
そこらに浮いてるだろ!
藤本も教えるな!」



当てられた燐は、問題がわからず真夜に訊ねて怒られる


真夜も真夜で素直に教えた為、ついでに怒られた



さらに『グリモア学』



「グリモアとは、一五世紀から一八世紀にかけ、生み出された………で
悪魔召喚や使役などの魔術に関する文書を表す……
……教えるものは『ソロモンの鍵』と『ラジエルの書』……」


「(燐君…!
起きて、燐君…!)」


燐は眠ってしまい、真夜がペンで背中をつつくが起きることはない



そして、雪男が担当する『悪魔薬学』…



「それでは、この間の小テストを返します
志摩くん」



「ほぉい」



前の授業で受けたテストが返されることになった


髪を桃色に近い色に染めた男子生徒が席から立ち上がる
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