novel : two

□a four leaves clover*ZXR
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 がばっと起き上がり、声の聞こえた方向へと身体を向けた。そこには、ちょこんと座るロビンがいた。

「んだ、驚かすな」
「フフ。驚かしてごめんなさい」

 いや、いい。と言いながら、また大の字になり夜空を眺める。

「探したんだが、難しいな」
「そんなに簡単には見つからないわ。幸せはなかなか手に入らないものよ」
「そう、だな」
「さ、帰りましょう。コックさんに怒られてしまうわ。もう夕食の時間だもの」
「ああ」

 名残り惜しそうにいるゾロ。身体は船に向かっているが、目線は未だ足元を差している。

「あ、見て」

 ロビンが身を屈む。ゾロもつられて、ロビンの指先にあるものを見遣った。
 ロビンの指先には、四つ葉のクローバーがあった。

「フフ。ラッキーだわ。はいどうぞ」
「阿呆か。俺が持ってどうすんだ」
「あら、だってこれをずっと探してたんでしょう?」
「〜〜〜ッ。何の為に探してたと思う」

 頭をがりがりと掻きむしる。

「…私の為?」
「…そうだ」
「有難う、剣士さん。大好き」

 ぼっと顔から音が聞こえるのではないか?というぐらいに、ゾロの顔は異様に赤くなった。

「その四つ葉の言い伝えは本当かもな」

 頭をがしがし掻きながら、ゾロは言った。

「探し当てた直後に俺ァ幸せになったぞ」
「フフ。探し当てたのは私だけど。フフ。」
「〜〜〜ッ。ま、まあな」

 それじゃ私にも幸せを分けて。と、ロビンはゾロの首筋に顔を埋めた。

「あなたの匂いがする。素敵」
「阿呆、んな事すると襲うぞ」

 ゾロはロビンの両肩をぐいと持ち、顔を傾け押し付けるように口づけをした。
 ロビンもそれに答え、ゾロの頬に両手を添えながらゾロを受け入れた。



 四つ葉のクローバー。
 持つ者には幸せが訪れるといわれている。
 二人で探し当てれば、その二人は永久に結ばれるといわれている。



 確かに、二人は幸せを噛みしめていた。
 船に戻り、ロビンはさっそく本に四つ葉を挟めた。
 これからのクルーの幸せを願って。
 そして、願わくはゾロと一生を共にできますように…と。
 その願いは、きっと必ずや叶う事だろう。








あとがき
 まずは四葉の話。ネットで調べましたら、大体10万分の1が定説のようです。確信ではございませんので、ご注意ください。
 四葉を恋人同士で見つけると、結婚できる…と私が子供のころに聞いた事があります。これまた確信ではございませんので、ご注意ください。
 今回は甘さ中の下といったところでしょうか。ロビンちゃんは甘かった。躊躇なく“大好き”はいくらなんでも…(汗) でもいいのです。今回はゾロに甘を捧げましょう。

Z「俺ァ結局四葉を探し当てられなかった訳だが」
T「そうなるね。ロビンちゃんの方が、アンタより運が上なのよ。それはなぜか。私がロビンちゃんを好きだから〜♪」
Z「…お前には絶対譲らん…!!」


最後までお読みくださって有難う御座いました。

07.06.10
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