novel : one

□密かな野望*ZXR
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 ロビンは、ゾロに近づき、両腕をゾロの首に回した。
 !!!?
 ゾロは、ロビンが何を企んでいるのか、皆目見当がつかなかった。
 ロビンの、挑発するように少し開きかかった唇が、ゾロの唇に近づく。ロビンの眼は潤んで虚ろになっている。

「な…にする気だ?」
「集中力と短気の訓練よ。集中して…」

 唇が触れ合うまで数ミリ。

「……願ってもねェ訓練だな」
「あら、そんなこと言っていいの? 皆見てるのよ?」

 ゾロは、ハッと顔を上げて回りを見る。そこには、好奇心溢れんばかりのクルー達、一部を除いて全員が、眼を輝かせ物陰から覗いている。

「!! …てめェらっ!」
「なによゾロ、怒るの? 短気は損気よ? ハイ、集中・集中」
「あぁぁぁ〜〜〜〜〜、ロビンちゅわ〜〜〜〜ん。なぜそんな緑頭なんかと〜〜〜」
「いいか、チョッパー。あれはちゅ〜といってだな、愛する者達が行う行動だ」
「そうか〜。んじゃ、ゾロとロビンは愛する者達なんだな?」
「おぅゾロ〜、早くちゅ〜しちまえよ。しししっ」
「ほら、剣士さん。訓練よ。こんなことで怒らないの。さっ集中して」
「〜〜〜〜〜〜ッ」




「クスッ。クスクス。冗談よ、剣士さん。驚いた?」

!!!!

 ゾロは、身体中の血液が、全部顔に集まったかの如く、顔は赤くなり、握り締めた拳は、ワナワナと奮えている。

 その直接、ゾロが起こした行動は、誰しも予想出来なかった。未だ手の中に居るロビンの顔に、ゾロの顔が覆い被さる。


――!!!?


 ゾロはロビンにキスをした。長い長い、蕩けるようなキス。ゾロの左手は、ロビンの後頭部を力強く掴み、右手はロビンの背中に回している。
 ロビンは戸惑い、身体を離そうとするが、解けない。
 有ろう事か、ゾロは舌を入れ、クルーによく見えるように向きを変えた。

 ようやく身体が自由になったロビンは、しかし固まって動けなかった。
 なぜ動けなかったかというと、その行為に驚いたのも勿論あるが、痺れるような、甘くて官能的なキスに、ロビンは酔いしれていたから。

「お陰さんで、集中力はついたし、短気も良くなりそうだ。今後も集中が途切れたり、イライラが募った時には、ヨロシク頼むな」

 してやったり。今回はゾロの方が上手だった。ニヤリと含み笑いをする。惚けるロビンを余所に、羊船はブーイングの嵐。

「…何? あれ。ちょっと調子に乗ってんじゃないの?」
「こんの、緑がァァァッ!! 調子に乗ってんじゃねェェェェェッ!」
「ワァァァァ! チョッパー見るな! あのちゅ〜は、お前には早すぎる!」
「何だ、何だ!? 何も見えないぞ!?」
「ゾロ〜、お前なかなかやるな! しししっ」

 その光景を少し離れて見ていたロビンは……。

 ―――ふふ。剣士さんもなかなかね。今日は大人しく遣られてあげるわ。でも次の訓練は甘くないわよ。
 ……覚悟しなさい。ふふ。

 遣られたら遣り返す。野望を秘めたロビンの射る視線は、、ゾロの姿を捉えて離さなかった。








あとがき

 ちょい濃厚なキスをしました。舌が入るキスって、官能的で好きです〜。
 しかも、硬派・ゾロからの攻撃的なキス。メロリンです〜♪
 最後、続きを匂わせております。どうなるか分かりませんが、これを書き上げた時点では、続編書く予定です〜。
 性描写は書けませんので、キス要素で書きたいです。
 いつなるか分かりませんが、お楽しみに〜。

Z「おいおい、俺はこんなキャラじゃねェだろう」
T「確かにね(^^; それは十分理解してるし。でも、大人なロビンちゃんに体当たりするゾロもいいんじゃないかな〜?」


最後までお読みくださって有難う御座いました。


07.04.25
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