novel : one

□誓い*ZXR
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どのくらい走ったかは分からない。

銃声音はすぐ目の前だ。


草を掻き分けながら、戦闘体勢に入る。


目の前に海賊船が見える。
敵は海賊か。
ちっ、面倒くせぇな。


一歩踏み出そうとしたところで、『手』に足を掴まれつんのめった。


「んなっ!?」
「しーっ」


脇の草むらに、ロビンが隠れていた。

此方を見ずに、攻撃体勢に入っている。


「皆はどうした?」

「航海士さんとコックさんは船を守る為に戻ったわ。丁度対岸ね。

長鼻くんと船医さんがいないので、船長さんが捜しに行っている。

敵船上も含めて、数人しかいなかったのだけれど、今は賑やかね。」

「あほか。
賑やかなんて言ってる場合か。」


ざっと30〜40人というところか。


「オレがやる。
危なねぇから、お前は其処に居ろ。」

「………。」

「納得してねぇって顔してんな。
………任せろ。」

「……了解。分かったわ。
でも、少しぐらいはお手伝いさせて?

それくらいはいいでしょ?
…勿論、この場所からは動かないわ。」

「……勝手にしろ。」

ゾロはニヤリと笑った。


戦闘の味を知っている者は、手を出さないということがどんなにつまらないか知っている。

ゾロはその気持ちを十分理解している。

だから、場所を動かないのを条件に、手を出すのを了承したという訳だ。


ゾロが敵に向かって行く。

華麗な闘い方に、ロビンは見入っていた。




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