novel : one

□相性占い*ZXR
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 暇潰しにロビンから雑誌を借りた。ザッと読むが、案の定身には入らなかった。残り僅かになったページに、ふと目がいく。

『あなたとパートナーの相性占い』
―――暇だしやってみるか。

『あなたは女?男?』
―――男だからB。

『あなたはどちらのタイプ?』
―――おいおい、ガリ勉タイプにゃどうしたって見えねェだろ。スポーツマンタイプのAだ。当然。

『彼女の事はあだ名で呼ぶ?』
―――そういえば、おい、なあが多いよな。しかし、心の中ではいつもロビンだ。だから名前で呼ぶのB。

『あなたがされて嬉しいのはどちら?』
―――膝枕はいいな。あいつの太ももは柔らけェし。しかし、髪を撫でられるのも捨てがたい。あいつに撫でられると、気持ち良くて眠くなるんだよな。でも、密着出来んのは膝枕だな。だからB。

『彼女はあなたに口づけをしてくれますか?』
―――してくれねェ! いつも俺がせがむ方だ。チッ、癪だが、しねェからB!

『彼女にプレゼントをします。あなたはどちらを選ぶ?』
―――宝石は喜ばねェ。あいつはそういう女だ。喜ぶのは、金の亡者ナミだろう。だから、ぬいぐるみのA。



『ここからは彼女に聞いて(想像して)答えてください。』
―――聞くのはどうかと思うが…。占いじゃなくなるんじゃねェ?まっ、ここまで真剣にやったんだ。残りも全力でいくぜ。

『彼女の水着はどっちのタイプ?』
―――これは聞くまでもねェ。ビキニタイプのA!

『彼女はあなたの事をあだ名で呼ぶ?』
―――皆の前では剣士さん。二人っきりだとゾロ。う〜んどっちだ?呼ばれて嬉しいのはゾロだからBでいいや。

『彼女の髪はショート?』
―――…? 分からん。ショートじゃねェ。だからってロングでもねェ。どっちだ?
「おい」
「なあに?」
「おめェの髪、ロングじゃねェよな?」
「ええ。セミロングよ」
「んじゃどっちを選べばいい?ショートか? ロングか?」
「そうね、どちらかと言われればロングかしら」
「分かった」
―――ロングだからA。

『彼女は素直?』
―――素直じゃねェからA。

『彼女は行動派?』
―――ある意味行動派だよな。強ェし。でもこれは恋愛の占いだから、恋愛に対しては臆病派だな。だからB。

『彼女に愛してると伝えました。どんなアクション?』
―――何ィ!? 言った例がねェから分かんねェ…っつーか、聞けってか? この俺に聞けってか!?
「あのよ」
「なあに?」
「あのよ」
「もう、なあに?」
「愛してる」
―――うわっ言っちまった。くそっ、どんな顔していいか分かんねェ。ゲッ、ロビン目ェ見開いて固まってるし! 何々、Aが抱きつくで、Bが…立ち尽くすぅ!!!? んな選択肢があんのかよ! 正にロビンはBだな。よし次!

『結果が出ました。あなたとパートナーの診断結果はGです。Gの欄をご覧ください』
―――Gか。どれどれ。

『相性100%あなたにとって、最良のパートナーでしょう。失ったら、あなたは必ず不幸になります〜〜〜…』

―――そうか。そうなのか。俺にとってロビンは最高の恋人なんだな。失うなんてことには絶対ならねェ自信がある。大丈夫だ。
「ちょっと、剣士さん? 酷いわ。からかっているのね。信じられない」
「いやいや、違ェよ。からかってなんかいねェし。」
「じゃ、さっきの言葉は何だったの?」
「あん? さっきの言葉って何だ?」
「…もういいわ。あなたなんて知らない」

 何を怒ってんだ? ロビンは。さっきの言葉?
 顔から血が引くのが分かった。『愛してる』そう言ったよな? 俺。そう言ったのは占いのせいだ。ヤベェ、こんな事でロビンと別れちまったら、俺不幸になっちまう!!

「ロビン、からかってなんかいねェ。俺はお前を愛している。口に出して伝えたかっただけだ」
「…本当?」
「ああ、本当だ。俺が嘘であんな小っ恥ずかしい事言えるか?」
「それもそうね。分かったわ。あなたを信じる。私もあなたを好きよ」

―――ホッとした。良かった。終わり良ければすべてよし。俺の人生完璧だ。




その後、ロビンに雑誌の占いコーナーを見られ、こっ酷く説教されたゾロでした。










あとがき

 占い、余り興味ありません(汗) 左右されそうで嫌なんですよね。
 上記で書いた占いの項目は、すべてでたらめですのでご注意ください。

Z「参った、ロビンに大目玉くらった」
T「あんまオイタは駄目よ?」
Z「…てめェのせいだろうが!?」


最後までお読みくださって有難う御座いました。

07.05.01

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