novel : one

□枷*ZXR
1ページ/1ページ


「俺は、お前が好きかもしれねェ」

 そう告げた。云わずにいられなかった。…お前を誰にも渡したくなかったからだ。
 なのに、何故お前は俺を避ける?
 伝えたのが間違いだったのか。あぁ、頭が痛ェ。

「おい」

 真夜中の甲板。起きてる奴は俺とお前以外いない。
 なぁ、何故お前は、そんな顔をして冥闇の海を見つめる?
 俺は、避けられている理由が知りたい。ただそれだけだ。

「…避けてなどいないわ」
「嘘つけ」
「…」
「…俺がお前を好きだと、誰にも渡したくねェと、そう告げたのが迷惑だったのか?」
「…そんなこと…」
「そんなこと大アリだろ?」

 フゥと溜め息一つ吐く。俺、何やってんだろう? こんなに俺って駄目な野郎だったのか。

「避ける理由を教えろ」
「…私は、あなたを愛する資格がない。ただそれだけ」
「阿呆、なに云ってる。意味がわからねェ」
「…いつか、この身は滅びゆく。そのときに…私は後悔をする。貴方から離れられずに」
「…お前は何を背負い、何を思う?」
「貴方には、関係のない事よ」
「…そうかもしれねぇ。だが、俺はお前を何からでも守る。そういう覚悟がなけりゃ、想いなんざ告げねェ。
 …俺に堕ちろ」

 お前の落涙は、枷を粉砕するのに十分だ。俺に身を任せろ。何も考えるな。俺の傍に居ろ。
 ただ頷くだけのお前を、砕く程に抱きしめる。これからもずっと。










あとがき

 えと、ロビンちゃんは背負っているものが大きいです。
 その枷を、ゾロが言葉で破ってくれた…と、大まかですがそう捉えて頂けると嬉しいです。

Z「アイツは俺が守らなきゃ…な」
T「うむ、頼むよゾロくん」

最後までお読みくださって有難う御座いました。


07.04.22

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ