novel : one
□胡蝶蘭*ZXR
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雨の中、傘も挿さずに佇む女――――
異様だった。
其の姿が、あまりにも風景に溶け込んでいたから。
街から少し外れた、名もない場所。
女の視線の先には、不気味な程美しく、淫らに咲く胡蝶蘭。
其の二つが醸し出す雰囲気こそ、ゾロが異様と思った元凶だ。
綺麗だ――――
素直に、思考をもたらさない其の言葉を、ゾロは隠さずに吐いた。
其の女はゾロへ視線を投げ、
可笑しなひとね――――
そう呟いた。
雨に濡れ、それでも其処を動かない女。
ゾロも何も云わずに其処に居る。
其れが生きている証拠になる。
この女の傍らに居ることこそ、ゾロにとって至福であった。
何があっても、この女は離せない……。
そう思うゾロだった。
あとがき
甘み10%…といったところでしょうか。
ロビンちゃんの為に…では無く、自分の為に傍を離れない…。
そう表現したかったのです。
あと胡蝶蘭。
ロビンちゃんにピッタリの華だと思います。
Z「……あいつは、んな派手な華より道端の華でも十分似合うがな。」
T「…全くその通りだね。」
最後までお読み下さってありがとうございました(^^)
07.04.04