novel : one

□至福の時*ZXR
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んあ?

…ここはどこだ?



ゾロは、頭を抱えながら、その身を起こす。


痛ぇな…。
床の上に寝てたからな。
仕様がねぇか。


辺りを見回す。
見渡すと、クルー全員がいるようだ。

今はだいたい……日付が変わった頃か。

昨夜は、皆のテンションが上がり、そのままここで雑魚寝をしたようだ。



迎え酒、とばかりに残っている酒瓶を探す。


ふと見ると、サンジがウソップと向き合い、手をお互いの腰に回している。


ぶはっと吹き出しそうになるのを抑えた。

ククク、写真でも撮っておきてぇな。と毒を吐く。


そのまま脇をキョロキョロしてるその真ん前に、チョッパーに絡まって寝ているナミが視界に入った。

チョッパー、重いだろうに。


左側に、二つの黒い影が見えた。

ウソップとコック、ナミとチョッパー。
残りのクルーは……。

「!!!!!」

考えなくとも即座に分かった。

カァーっと頭に血が上るのが分かる。
ゾロは寝ているクルーに気を遣うでもなく、無遠慮な足音で二つの黒い影に近づいた。



そこには、ルフィに包まれて寝ている、穏やかな表情のロビンがいた。


なんでだよ…クソっ

なんでオレじゃねぇんだ


ゾロは吐き気がした。


時間が経つにつれ、だんだんと怒りが沸いてきた。

無性にイラつくので、ルフィを力任せにぶん投げた。

ルフィは壁にぶち当たり、しかしむにゃむにゃと口を動かすだけでそのままの状態で、また眠りの世界へ旅立った。


ゾロはというと、投げ飛ばしたルフィには目もくれず、ロビンを見ていた。



そっとロビンの傍らに寝転び、ルフィが寝ていた状態を真似た。


罪悪感が無いわけでは決してない。
けれどゾロは、そうするしかなかった。


この女を他の男にやる訳にはいかねぇ


その概念だけだった。
自然と眉間に皺が寄る。



しかし、その怪訝そうなゾロの顔も、ロビンの寝言で一気に緩んだ。






『暖めて。剣士さん。』








そして、そのまま眠りへと旅立った。




あとがき


書いていて幸せでした〜♪二人が向かい合って寝てる姿を想像するだけで、私も幸福です。

Z「……オレも幸せだ。」
T「だよね♪」

ガシッと手と手を合わせる。


07.03.30

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