精神詩 -Lunacy-
□作品No.11〜15
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No.12
澱からの手紙
余りにも透明で
余りにも澄んだ水に
魚は生きられない
余りにも静かで
余りにも優しい風に
鳥は生きられない
其れを知りて
何を望むか
綺麗な水を風を世界を
何故望むのか
暗く澱んだ澱の底でしか
生きる事など出来ないのに
何故身を清めようとする
綺麗な世界で
生きられる筈も無いのに
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「澱(オリ)」で生きてこそ人生かな、と。
人間綺麗だけでは生きていけません
というメッセージを込めて。