暗黒詩 -Black-

□作品No.31〜35
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NO.32

茨の城に眠る王子の惨劇



茨の城の大広間
一面に散らばるのは
避けた心と肉片
真紅の鮮血は悦びのため
魔女<はは>の細い指先は
毒薬作りに励んでる
嘘と驕りと嗤いが
釜の中で煮え立って
新たな破壊が生まれてる
心を持たない暖かな人が
棺に静かに眠るのは
凍てついた想いと
鎖に繋がれているから



―――――――――――――――
題からお察しいただけると思うのですが
「眠れる森の美女」が元なのだけど
壊れた感が強いので、此方に。
「心を持たない暖かな人」は
「生ける屍」的な心無い人、の意で。
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