精神詩(2) -Tranquilizer-

□作品No.86〜90
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NO.87

憂鬱なる調べ



蝶の翼が空気を打って
て・ふ、て・ふ、て・ふ、
憂鬱な振動が
灰色の空気を伝う
て・ふ、て・ふ、て・ふ、
重たい心臓の鼓動と共に
て・ふ、て・ふ、て・ふ、
鮮やかな死を撒き散らし
緩やかな終焉を刻むため
て・ふ、て・ふ、て・ふ、
耳の奥、瞼の裏、
脳に刻まれる、憂鬱な蝶々



―――――――――――――――
「てふてふ(蝶々)」の語源が
「翅が空気を打つ音を表す様」という事を
耳にして、インスピレーションで。
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