精神詩(2) -Tranquilizer-
□作品No.71〜75
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NO.72
一年
-晩夏-
窓にぶらたれた風鈴を
落として 踏み潰して
カケラは胸に刺さった
それでも涙は出なくて
蒸された空気を吸った
夏は陽炎のように
揺らめいて見えた
枯れる秋はすぐそこに
頬を伝うのは濡れた夏
切なげに揺れて
秋風の遥か彼方
消えた風鈴のカケラ
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「一年」シリーズその4。
目的に縛られると書けないので
気ままにある期間を描く
シリーズと化しました(苦笑)