精神詩(2) -Tranquilizer-

□作品No.21〜25
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NO.22

中秋名月



テラスから見た満月は
血のように紅く燃えていて

昼に逃げた想いと
昼に見た現実の面影を

ゆらゆら照らして

夜風が背中を撫でて
冷たく嗤った

秋の匂いは
心まで枯らすから

頭上の紅い満月と
北の黄金色の三日月は
今日も仲良く喧嘩して

冬の甘い匂いを待ち望む
凍てついた心は

明日を夢見て
満月に泣いた




―――――――――――――――
夢とか想いとか
膨らむだけ膨らんで、見せ掛けだけは綺麗だけど
何の力にもならないな、と。
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