精神詩(2) -Tranquilizer-

□作品No.11〜15
2ページ/5ページ




NO.12

空 〜クゥ



凪いだ風に唄を乗せて
硝子の破片で粉々にした
窓にぶら垂れる想いに
唄の欠片が刺さる
雨と一緒に夢が落ちて
砕けた硝子の上を転がる
棘のある想いと夢は
空に大きな傷を付けた
空の裂け目からは
失くした筈の唄が響いて
雲は嘘吐きの夢を作った
灰色の雲の夢は
風に押されて崩れていく
此処に残るは虚無の精神
空っぽの唄を
今日も何処かで誰かが歌う
響かない唄は
枯れた風に吹かれて
明日には硝子で砕かれる




―――――――――――――――
個人的には気に入ってる詩。
テーマは「空しさ」です。
「空」と云う字に
ソラとカラッポとムナシイ
と云う意味を込めて。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ