反戦詩 -Antiwar-

□作品No.6〜10
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NO.6

classical wish



乾いた風が吹いた。
遠くで、硝子の割れた音がした。
何かが終わりを告げた。
世界が崩れ始めた音だった。

空が軋み、音をたて、雨が降り出した。
そう。まるで哀しみの泪。
破滅へと向かうヒト達への、絶望の泪。

大事な人、異境の地へと。
もう二度と、逢えない。
泪は止む事を知らない。
地を濡らしても、流れない血の痕。

灰色の空が割れた。
光が途切れて、崩れる音がした。
何かが終わりを告げた。
世界が狂い始めた音だった。

風が吹き、砂が舞う、乾いたこの地で。
絶望を知ってしまった泪。
幸せが瓦礫の下に埋まる、喪失の泪。

いつの日にか戻ると、浅はかな夢。
穏やかな、幸せの日々。
もう二度と、来ない。
地の匂い、染み付いた大地。
朱い太陽、これ以上、照らさないで。

心に住み着いた鬼が、復讐を呼ぶ。
新たな悲劇、生み出す。
戻らない、命と時間と傷痕。
悲憎の想い、それだけが。
心を正常に保ってくれる。



―――――――――――――――
題の意味は「最大級の祈り」
歌詞調に。
「悲憎の想い、それだけが。
 心を正常に保ってくれる。」
戦争に限らず、大事な人を亡くせばそうなる。
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