芸術詩 -Profanation-

□作品No.1〜5
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NO.1

マァメイド・ダンス



暖炉の傍で、
椅子に凭れて、
淡い夢を見る。
暖かな空気に包まれて、
大海原を思い出す。
幸せに満ちていた日々を…
思い出す。

争うことを知らずに育った
清き魂には、
異世界はあまりにも、
あまりにも残酷過ぎて…。

踊るたびに、
痛みが走る両足に、
縛られている。
また涙、溢れ出す。

夢を見ていた。
異郷の地に、
行きたくて…生きたくて。
声を失い、
痛みに耐えても、
夢は夢のまま。
辿り着いた理想の地は、
あまりにも、遠すぎた。

少女の心は、
いつの日にか、
泪色に染まり、
澄んだあの海と空、
くすんで、
思い出だけが鮮明で…。
海の沖では、
銀の糸、揺らめく。

優しく照る、月明かりの下、
唄を歌うよ。
失った声で…。
声にならない、溢れた想いを。

積もる雪に、
想いを重ね、涙する。
冷たい雪になりたくて。
溶けたくて。

夢を見ていた。
異郷の地で、
溶けたくて…消えたくて…。
声を失い、
痛みに耐えてまで、
生きる理由はない。
泡となり、風に吹かれ、
もう消えて、亡くなれば…。

夢を見ていた。
異郷の地で、
生きたくて…消えたくて…。
夢を失い、声は乾いて、
想いは泡となる。
理想の地、
私と共に海に沈み、
泡となる…。



―――――――――――――――
歌詞調なので、音数は大体同じ。
人魚姫を題材に、
理想と現実の壁を越えられない悲しみを。
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