精神詩(2) -Tranquilizer-
□作品No.101〜105
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NO.101
SCARLET
ありふれた体温は
もがくように熱を上げて
指先から蝕んでいく
骨の中の燐は燃え尽きて
喪われた意識から羽化したのは
唯一の緋色の蝶
太陽に焼けた夕刻の空に
蜃気楼と化していく
―――――――――――――――
埋没していく個性(自我)への怖れ。
それなのに飛び出した「個」は
出る杭のように打たれて
結局、哀しい哉、
埋没するしかなくなってしまう。
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