精神詩(2) -Tranquilizer-

□作品No.56〜60
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NO.56




滲み出た悪意の直中で
詩えない詩人は
生み出した知恵を地に棄てた

風に凍えて泣くのは
言葉を亡くした歌人で
壊死した指で弦を鳴らす

回らない思考回路に
彷徨うのは愚者
唄を知らない賢者に殺められ

高音の出ない喉で
歌うのは賢者
想いを紡ぎ伝える者は
もういない



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「詩人」って何かな、と考えて。
知恵者であり歌人である詩人でありたいと
そういう想いも込めて。
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