人生の杜

□自然農
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<稲の不耕起直播栽培>

現代農業(編集部)の記事より。

そんなうまい稲作りがあるかと疑問があるかと思う。とにかくお読みいただきたい。

すでに十余年の間この技術の確立に取り組んできた福岡さんは、安定して五石をとっている。

麦刈り跡を耕起せずに稲籾を直播して麦ワラをおおっておく、稲刈跡を耕起せずに麦を播き、稲ワラをおおっておく。

この繰り返しで十年以上も耕起をしていないが、成績は上々だ。稲は草丈は短いが穂の長い姿となり、出穂五十日後でも生きた葉が五枚ある。


[1]播種

種播は福岡さんの考案した機械でやる。

深さ三センチのV字溝をほり、そこに一定量の稲モミを落とす。

(三センチのV字溝であれば、先のとがった棒で土を引っかけば出来る溝である)

種播き後、長雨にあって湛水すると発芽が悪くなる。その対策として五〜六メートル間隔に幅二十五センチ、深さ二十センチ(以上)の排水溝をかならず作る。

あとにも先にも土を起こすのは播種溝と排水溝だけ。

種を播いても覆土はしない。そのかわり麦ワラで前面を覆う。

10アール当たり1トンはほしい(前作麦の全量)。ワラでおおわれて湿気も空気も豊富に受け、発芽はほとんど心配ない。


[2]発芽の初期

やがて麦ワラをくぐりぬけてヒョロヒョロと発芽してくる。

ワラは耕土を肥沃化して不耕起を可能にするだけでなく、雑草を防ぐ。

(雑草は少なく、除草するまでもないようだが、除草剤の使用を否定してない。除草剤は農薬とは性質を異にするのだと思う)


[3]発芽後

水はまだ入れない。月に1〜2度雨があればOK。

幼穂形成期以降にはじめて水を入れるが、湛水と湿潤の状態を2〜3日ずつ繰り返す。

排水溝に水が満ちている程度がよく、表面を水が走るようでは多すぎる。

穂ぞろい期以後は湿潤状態を保つ。


[4]出穂前後

出穂直前で丈は腰ぐらい。

坪当たり100株で、1株15〜20粒の種が落ちるように播種すると、出穂期には1株20〜30本の穂が出て、坪当たり穂数は2000〜3000本確保できる。


[5]収穫

多収の稲は、葉は硬く生きている。茎は最後まで青い。

丈は80〜90センチだが、軟弱な姿になって収量も良くない、ということがある。

これは発芽後、早い時期に湛水した結果だ。

水のために丈は伸びたが、穂は小さく、枯れあがりも早くなった。

水を入れるのをうんと遅くする⇒そのためにワラを敷く⇒不耕起も可能になる。


この稲作法は簡単なやり方であるが、農作業は正確にきびしくされなければならない。

(詳しい農作業の注意点は省略する)
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