人生の杜

□自然農
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<各種野菜の栽培注意点>

◆エンドウ、大豆、小豆、菜豆、などは野鳥に拾われやすく、よほど早く発芽させないと失敗するので「粘土団子」播きするのがよい。(「粘土団子」の作り方、後述)

◆トマトやナスのような軟弱なものは、最初は雑草に巻かれて負けやすいので、苗を立てておいてクローバーや雑草の中に移植するほうが無難である。
 トマトやナスは、一本仕立てなどにせず、放任して倒れたら倒れたままで叢生栽培をすればよい。起こして支柱を立てたりせずにおけば地面をはった茎の各所から根を下ろし、多数の茎を箒状(ほうきじょう)に立てて生長し結実するものである。
(叢生・・・群がり生えること)

◆ナス科のジャガイモは、一度植えておくと、その場所に毎年出来るようになって、地上を1〜2メートルもはって強大な生育をして雑草に負けないものである。
 ちょうど里芋やコンニャクと同様で、小芋だけを掘って食べるようにし、多少掘り残しておけば、種切れすることはない。

◆瓜科のカンピョウやハヤト瓜は、傾斜地や樹木に這い登らすのがよく、「越年」したハヤト瓜は1株で1アールの面積に広がり五、六百個も成る。
 這い登るものがなければ、枝つきの竹か薪(たきぎ)のようなものをその場所に振りかけておけば、ツルはそれに巻きついて登り、生育の面でも結実の上からもよい手段になる。

◆キュウリなどはなるべく地はいキュウリがよい。キュウリ、カボチャ、スイカなども同様であるが、幼苗時だけは雑草から守ってやらねばならぬが少し大きくなれば強い作物である。
 
◆山芋や自然薯(じねんじょ)は、果樹園の防風林の下で十分育つ。樹に巻きついて登るので割合大きな芋も出来て楽しいものである。
 今、甘藷(サツマイモ?)のツルを「越年」させて多収穫を図っているいるが、こうすると寒い所でも甘藷が作れることになる。

◆ホウレ草やニンジン、ゴボウなどのように発芽しにくい種子は、木炭を混ぜた粘土にまぶすとか、「粘土団子」にして播くというようなわずかな工夫が必要である。

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●とにかく以上のような野菜の野草化栽培は、果樹園内や堤防、広い休閑地とか空地利用が主目的であって、単位面積での多収を目指すと失敗しやすいことを考えていなければならない。
 それはたいてい病虫害の被害によるものである。一般に野菜は、同一種類のもののみを集団で作るという不自然さを犯すと、かならず病虫害の被害を招くものである。
 
●混植されて雑草とともに共栄共栄させるという形になると、その被害はわずかで、特に農薬を散布せねばならぬというようなことはない。

●生育が悪いような場合でも、クローバーと混播されておれば、たいていは出来はじめるものである。野菜が出来ないような所は雑草も出来ないのがふつうで、雑草の種類とその生長量を見れば、その場所が痩せているか、特別な欠点があるかもわかるものである。
 その欠点を自然に解消せられるような手段をとっておけば、案外巨大な繁茂した野菜を得ることが出来る。

●野草化栽培の野菜は、コクのある香りの高い野菜であり、あらゆる微量要素の含まれた健全な土壌に生まれたものであるあるから、人間の体にもっとも栄養の高い健全食品となることは間々違いがない。

●野菜の野草化栽培は、輪作体系(体系図は省略)に従い、さらに作物の特性を考慮して適時適播することによって、大面積の栽培も可能になってきたのである。

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追記

植物の会話

●「プラトーク」と呼ばれる、植物同士の会話を研究していた山口大と京都大の研究チームは、「青臭さ」の香り成分を発生させて外敵襲来などの警戒情報を仲間に知らせていることを突き止めた。香りをかぎ情報をキャッチした植物は、自らの免疫力を高めることも確認。

●植物が虫食いやカビで傷ついたり、葉をちぎられたりした時などに、揮発性化合物の香り成分「青葉アルデヒド」を急激に放出し、免疫力を高めることを実証。昨年(2006年)11月、米科学アカデミー紀要に論文が掲載され注目された。

●健康な固体は、病気の固体が発した香り成分を「警告」として受信、自らも将来的に菌を浴びる恐れがあると予測し、防御遺伝子群の活動を活発化させていたことが分かった。

●傷を負った葉が発する香り成分は、怪我を負った人間が「痛い」と叫ぶようなもの。その叫びを「立ち聞き」して予測されるストレスに対し免疫力を高めていると分析。
 人工的に香り成分を「かがせて」免疫力を引き出すことで、低農薬野菜の栽培に応用できるのではないかという。

※香り成分を散布する(かがせる)代わりに、農作物の周囲に生える雑草を刈るか引きちぎるだけで、作物の免疫力が高まるということではないだろうか?。
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