人生の杜

□おもろい話
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莫大な金額がかかった裁判で被告人と弁護士が打合せている。
「この裁判に負けたら、おれはもうおしまいだよ」
「後は裁判官に任せるしかないね」と弁護士。
「葉巻を一箱送ったりしたらうまく行くかな?」と被告人。
「絶対ダメだよ!
この裁判官は倫理的行動にすごくうるさいんだ。そんなことをしたら逆に偏見を持たれてしまうよ。賄賂を贈ったと受け取られるに違いない。
裁判官ににっこり笑いかけるのさえやめたほうがいいよ」
裁判は進み、裁判官は結局被告人に有利な裁決を下した。
被告人が裁判所を出る時に弁護士言った。
「葉巻の件でアドバイスをくれてありがとう。あれでうまく行ったよ」
「葉巻を送っていたら絶対に負けていたに違いないよ」
「でも実は送ったんだ」
「なんだって??送った?」
「ああ、だからこの裁判に勝てたんだ」
「何のことかさっぱり分からないよ」と弁護士が混乱していると
「ありふれた一番安い葉巻を裁判官に送ったんだ」
被告人はウインクしながら続けた。
「原告の名刺と一緒にね」
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