お題

□父上
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昔、母はよく政府に連れていかれた
僕の父上であり母の最愛の人の事で

賊軍とし、汚名を着せられた新選組
十番組組長、原田左之助

母が帰ってくる間、よく父の事を考えていた
どんな人だったのか
小さいころよく連れて歩いてくれた
背が高くて抱っこされると怖かったのを覚えている
でも声や顔は覚えてない

父と過ごした時間が少なすぎたのだ



母はよく言っていた


あなたの父上は立派で素敵な人でしたよ
とても強い、侍でした


父の話をするときの母はとても切なそうだった
でも、母はけして泣かなかった
そして僕を諭すのだ

「父上を誇りに思いなさい。あなたは原田茂…私と原田左之助の子なのです。今は理不尽な汚名を着せられていますが、いつかあなたの父上がどれほど偉大な方だったか世間は知るでしょう。でも今は私やお前、新選組の生き残った方々がそれを知っていればいいのです」


僕は父をあまり知らない

でも僕は父を誇りに思う
父上、僕は生きています

願わくばあなたに会いたい
そして母上をあなたに会わせたい

あの大きな手で頭を撫でてほしい




父上、聞こえますか

僕は、生きています
僕は、あなたのぶんまで生きます

だから僕らがそちらに行ったら


















迎えにきてくださいね
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