書物

□弱いアイツ
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俺には幼馴染みがいた。そいつはだんだん背も大っきくなったし(うすらでかいぜ)、体格もよくなってる、顔はこわいけど、よく言えば強そうだし、かっこいい方だ…


なのに
アイツは弱い!
いや、だってこの前アイツが156cmのちっこい女の子(つまり俺)と喧嘩したらちっこい女の子が勝っちゃったんだぜ?
あれは情けなかったな…うん
だから、ディーノちゃんはかっこいい幼馴染みがいていいね!もしかしてディーノちゃん…スクアーロくんのこと好き?、なんて事を聞かれてもハッキリ違うと言えるし、その日の帰りに意識しちゃってドキドキ!なんて事もない。でも嫌いってわけじゃないぜ?
大親友だから一緒に帰ったりしてる。
そんな噂のスクアーロは今日は委員会で残るらしく俺は一人で帰ってます。
「おい、お前ディーノだな?」
「…はい」
うわ、ウチの学校で有名な不良
「こっちこい」
「え、何でだよ」
「いいからこい!」
「やめてっ」
訳が分からないのに3、4人の男に囲まれ、腕を掴まれる
スクアーロと喧嘩した時みたいに蹴ってみたり、腕をほどこうとしているのだがピクリともせず、アイツはどんだけ弱いんだよっなんて思って焦っていたら

「う゛ぉ゛ぉい!」

頭がキーンっとなり
「…ディーノに何してんだぁ゛!?」
現れたヒーローは残念ながらスクアーロだった。
「やっやめろ!スクアーロ、お前じゃ…」
敵わないなんて言おうとしたら腕が楽になった。
「ぐぉっ」
いつのまにか男達は倒れていた
「大丈夫かぁ゛!?ディーノ!」
「すっスクアーロ?」
そして視界にはアイツの胸板がどアップになった…つまり抱き締められた
「怖かったなぁ゛、もう大丈夫だぁ゛」
「う、うん」
いろんな事が引っくり返り、ゴッチャになりながらも、一つわかったことは…なんと俺はスクアーロにドキドキしている…
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