忍術学園上級生

□デート、しませんか?
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「…五年の奴等、だな」


五年生は見た目は恐くなんてなさそうだが
コイツ等だってれっきとした男だった
いつもは無邪気な笑顔で委員会でもなんでもしているくせに
そう思わずに入られない…だって

鉢屋三郎の被害は本当に破壊知れない
化けられている本人以外、誰だってこいつの変装を見破れないのだから
名前にこの変態!などと言われて両頬をビンタされた…と言うか殴られた時は
このまま死のうかと思ったくらいに精神的ダメージが高くて
名前本人が保健室で生きる気力を失った俺に
泣きながらそんな事知らないよ、と言ってくれるまで分からなかった
冷静になっていれば背の高さとかで気づいただろう事が
いかに最愛の彼女にビンタされた、という事がショックが大きいかが分かる

不破はいつもニコニコしているのに
俺に向ける笑顔はちょっと違う気がしてならない
なんだか心から笑い返せないと言うか
ぺたり、と貼り付けた笑顔のような
そんな顔が俺に向かってにこり、としているのを感じる
たぶんコイツも名前を心の中で尊敬か
恋愛対象としてみていたのであろう
名前が俺の隣に来るとその黒さは一層まして
最近は背筋が凍りつくような錯覚に教われる時がある

久々知は火薬委員会が人数が少ないから、と言って
よく名前に手伝いをしてもらっている
その所為か五年生では名前と一番仲がいいのかもしれない…
何よりも許せないのはコイツがはじめて名前を町に誘った男だ、と言う事だ
俺が一番最初に誘うはずだったのに…!と改めて後悔を感じる
豆腐料理をちゃっかり名前におごってやったらしいと言う情報だって
今では俺を苦しめる要因の一つだ

竹谷も自分達が逃がした毒虫やら何やらを探すのを名前に手伝ってもらっている
生物委員会は人数が多いんだからお前等で探せ、といいたい。
この前なんかは名前の服の中に毒虫が入ったとか大騒ぎして
名前の服の中に手を入れようとしている竹谷手を必死で止めた
名前を急いで連れ去って、いやらしい意味ではないが…
服を調べてみても何も居なかったのを思えば
竹谷の計画的犯行と見ることが出来る


「はぁ・・・」


なんでこの六年生でもあろう五人と
委員長だって勤めてしまうような五年生の四人が
ここまで本性を剥き出しにするのか、と言われれば
理由は大概の人ならわかる
俺だって深いため息が出るのも分かる…

俺の彼女の名前は結構…いや、凄く可愛い。

山本シナ先生の下鍛えられたこの忍術学園のくの一なのに
そこらの性格のねじり曲がったくの一とは全然違って
優しいし、可愛いし…少し天然だけれども
誰だってこの子をモノにしたい、と思うような子だから…

アイツ等が黙って「仲良くいってらっしゃい」などと言いながら
陽気に手を振りながら見ているはずが無い!!

絶対何か仕掛けてくるはず。
俺はそれを何とか阻止しなければならないのだ


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