□嘘とか愛とか
1ページ/2ページ
†紫苑side†
「ネズミ、どこ行くの?」
朝早く出ていこうとしたネズミに声をかける。
「あんたに関係ない。」
いつもの言葉。
「君の事だから関係なくなんかない。」
これもいつもの言葉。
ネズミは溜め息をついた。
「押し付けたい訳じゃないが、俺はあんたのために言わないんだぞ。」
ネズミは僕の為に言わないという。
これも愛だと。
でも
「僕は君の事を知りたいんだ!嘘とか愛とか関係なく、僕は君と対等でありたい!」
君の事を知りたい。
この言葉を君は嘘だと言うけど、僕は本気なんだ。
惹かれてるって言葉も
君を知りたいって言う言葉も嘘では無くて。
愛してるからこそ知りたいと思う。
愛してるからこそ、対等でありたいと願う。
それの何処がいけないんだ、ネズミ。答えてみろ。
ネズミは僕の心を読んだかのように、目を逸らした。