□sweet kiss
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†イヌカシside†
今日は快晴の空。俺は犬を洗っていた。
ふと、影がおちる。
「ねぇ、イヌカシ?」
俺を呼ぶ、少し高めの落ち着いた声。
紫苑だった。
「どうした?お前さん、今日は休みだぞ?」
じっと此方を見てくる白髪の少年を見ながら問うてみる。
「ねぇ、キスして?」
「ふぇっ!?」
突然の爆弾発言に、思わず間抜けな声をあげてしまった。
紫苑は、首を傾げながらもう一度はっきりと言った。
「キス、して?」
─なにを言い出すんだ、この天然坊っちゃんは。
冷静さを取り戻した俺は、赤くなった顔をスッと上げた。
「なんでいきなりそんな事言い出すんだ?」
俺がそう聞くと、紫苑の頬がパッと真っ赤に染まる。
「そ、それは…イヌカシのキスはどんな味がするんだろうなって…んっ!」
俺は、最後まで言わせずにキスを落とした。