散っていく星達

□強く想い続ける
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どんなに好きだとしても…
それを伝えられなくて…

ただ…貴方を見ている事しか出来ない私…

貴方がサヤさんの事を思い出すたびに…私は辛い。

強く想い続ける



「姫っち?どうかしたのか?」


ミルクを飲み終えて、首を傾げているトレイン。


「…なんでもない」


イヴはトレインの心配してくれる声にも素直になれず、自分の部屋に逃げ込んだ。













クリードを倒してトレインは、ようやく過去を振り切った。


自分も掃除屋の資格をとるために頑張っている。



でも…一人で掃除屋をするのは嫌だ…

目頭が熱くなった。


「私…トレインといたい」

「…そっか」


いきなり声が後ろから聞こえたと同時にイヴは背後から抱き締められた。



「トレ…イン?」


イヴは振り返ってトレインを見る。


「…一緒にいればいいだろ。俺は姫っちやスヴェンがいて掃除屋がスッゲー楽しいんだ」


笑みを浮かべながら、トレインはイヴを強く抱き締める。


「でも私は…いつか一人でやらなきゃいけなくなる」

これ以上…トレインがサヤさんの事を思い出す姿を見たくない。


だったら…離れた方がいい…


「大丈夫だから。それより…冷蔵庫にミルクが残ってた」


イヴはトレインをこれ以上心配させない様に、無理矢理普段通りの声を出した。


トレインはゆっくり離れて、イヴの部屋から出ていった。


パタン…


扉が閉まって、イヴの口から嗚咽が漏れた。


「…嫌。本当は…離れたくない…一人は…怖い…」


身体が震えて涙も流れる。


「トレイン…好き」


一生言うことのない言葉だったのに、本音が出てしまった。

「俺も好きだぜ…姫っち」

「えっ…」

後ろから声を掛けられてイヴは振り返った。


「どう…して…」

トレインはゆっくり近づいて、イヴを自分の胸に引き寄せた。


「まったく素直じゃねぇな。離れたくなかったら言えばいいだろ。俺は…姫っちが必要なんだぜ」

「サヤさんよりも…?」


どうしても聞きたかった事…

トレインは多少驚いたが、ハッキリ答えた。



「あぁ…サヤよりもイヴが必要だ」


トレインはイヴを抱き締めた。


その温もりにイヴは目を閉じた。
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