Cross World

□spring-02
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〜2年Aクラス〜

拝啓お母様―

お元気ですか?

僕は今惨劇の起きた戦場にいます。

僕と同じクラスの変態達が無敵の生徒会長の手により天井に突き刺さっています。


『きゃぁぁぁぁーーー!!』


確か上のクラスは女子だけのクラスだったはず。

担任も女子で烈架が『秘密の花園』とか話していた気がする。


『このオールバックはライバルよ!』

『顔を変えて誤魔化してるけど、この鼻息は変態二世の烈架に間違いないわ!』

『アホの優斗よ!この変態!』


うん…

上の階は生首に対して戦争を仕掛けてるみたいだ。

爆音とか悲鳴とか、


『うはっ!見える!俺には見えるぞぉぉぉーーーー!!』


変態にいくら攻撃しても無駄なようけど、あの声からして絶対ライバルだよ。

攻撃されながらも興奮してるとは凄いなライバル。


『師匠ォォォォォォ!!俺にも見えてきました!』

『よくやった優斗!直に痛みは快楽に変わるぞ!』

『はい!』


もうそのまま旅立ってください。

しばらくお花畑に旅立っていろんな意味でやり直してきてください。


「てんてーやりすぎだよ〜」

「フンッ!つまらぬ者を刺してしまった」


天井に変態達を突き刺した生徒会長は、グリム姉と一緒に優雅に紅茶を飲みながら呟いている。

お菓子はグリム姉の親衛隊が作った手作りクッキーのようで、形がいびつだが味は美味しいのか光さんが目にも止まらぬ速さで食べている。


「とりあえず引っこ抜くぞ。怪我人は手当てだな」

「相棒だけは傷口に塩で充分なのですよ〜」


黒い――

ヘルメンってたまに黒くなるんだよなぁ。

特にライバルが変態モード2や3になったら真っ黒に。

絶対口にしないけど…



「…潤…」


ふと誰かに制服の裾を掴まれて引っ張られて振り返る潤。

そこにいたのは、


「あっ…ナナ。そういえばナナも同じクラスだったんだっけ」

「…うん。マッキーや…梨天や杏奈とは…違うクラスになっちゃったけど…」


この美少女みたいな顔をした人物は和泉ナナ。

初対面の人はナナを女の子と間違えるけど、ナナは正真正銘の男の子なんです。

「…………?」


実に残念な事だ――

杏奈よりも女の子らしいから余計に残念です――
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