Cross World

□PHASE-04
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Aブロック一回戦。

サトシVSヒロシの戦いは観客の注目を集めていた。


「リザードン!ドラゴンクロー!」

「クルーズ!こっちもドラゴンクローだ!」


ドラゴンクローを構えたリザードンとバンギラスの攻撃がぶつかり互いに交差する。

両者がピクリとも動かずしばらく沈黙していたが、ヒロシのバンギラスがよろめいていく。


「クルーズ!」


ヒロシが必死な声を上げた瞬間バンギラスはなんとか踏ん張るが、リザードンがバンギラスをがっちり掴みそのまま上空へと飛び上がった。


「リザードン!そのままちきゅうなげだ!」

「クルーズ!」


ドラゴンクローの一撃が効いているせいかバンギラスはリザードンを振り払う事ができない。

そんなバンギラスをリザードンはがっちり掴み空中を旋回して勢いよく急降下すると目の前に迫る地面に向かって叩き付けた。

ドラゴンクローとちきゅうなげによるダメージのせいかバンギラスは、そのまま地面に倒れて目を回した状態で戦闘不能へとなってしまう。


「ありがとうクルーズ」


戦闘不能になったバンギラスをボールに戻しヒロシは小さく笑みを浮かべていた。

クルーズはヒロシの手持ちの中でエースと言えるポケモン。

この日の為にかなり強くしたのにサトシのリザードンには届かなかったようだ。


「次はキミの番だよ。レオン!」

「ピカッ!」


ヒロシの傍にいたピカチュウがフィールドに現れてリザードンを睨み付けていた。

サトシのリザードンとヒロシのピカチュウと言えば、セキエイ大会でも戦った組み合わせである。

前回はリザードン相手に何もできなかったレオンは気合いが入っているのかヤル気満々でフィールドに立っていた。


「いくよ、サトシ!」

「あぁ!リザードン、かえんほうしゃ!」

「避けろ!レオン!」


リザードンのかえんほうしゃをレオンは地を蹴りクルクル回り回避していく。

かえんほうしゃを放つリザードンの隙を狙っているのかヒロシは真剣な表情でリザードンを見つめていた。

いつまでもかえんほうしゃが続く訳がない。

必ずリザードンに隙ができるはずだ。


「リザードン、全方向に向けてかえんほうしゃだ!」

「なにっ!?」


突如リザードンにそう指示したサトシにヒロシは目を丸くした。

何故サトシはレオンじゃなく岩場ばかりに炎を?
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