突発的

□マンホールからのワープ
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んー、やっぱ夢だった。だって、起きたらベッドの上だったしさ。


で、友達にあった事を話したら笑われた。でも、ちょっとだけ夢だとは思えなくて放課後またマンホールの場所に行った。すると、ふさがっていた。


『なんだ。ふさがったんならもう無理じゃん。て、あれ本当か分かんないけど……』


また、マンホールに落ちないかなぁー。なんて、馬鹿が考えることだよね。自分から進んでとか変なの。


あぁ、鋼の錬金術師の世界に少しでも憧れてたからかな。だってさ、錬金術とかあるし危険だけど仲間もいて……。


でも、トリップしたらしたらで家族も大切だ。やっぱ、やだ。この世界でいい。


「等価交換だ」


『は?……な、やだっ』


一瞬だった。黒いものが身体にまとわりつく。全てを覆われ目を開けた時、私が見たものは。


「よう、もう一人のオレ」


白い空間にいた。そして、白い人らしき物体があぐらをかいて私を見て笑っている。


『は……っ、誰の事?』


「お前だよ」


意味分からない。どうしていいか分からないんだけど。


「お前は昔、オレと同じ存在だった。しかし、お前の意識は勝手に一人離れこの世界から消えた」


だとすると、私は人間じゃないじゃん。


「お前は戻るべき時がきた。だから、お前は戻れ。オレ達の中で永遠の眠りに」


黒い触手が忍びよる。


『嫌だ!!』


冗談じゃない。何でよりによってこんな目に合わないといけないんだ。


「なら、もう一人のオレを回収してこい。今、お父様とやらになっている」


『回収すれば私は――』


「見逃してやるよ。チャンスだと思え。ああ、そうだ。次期にお前の昔の記憶がよみがえるだろう……回収の仕方も分かるだろう」


『え、でも、まだよく分かんないし、もうちょっと』


「等価交換」


黒い触手が私を包む。


『気持ち悪いっ、やめろ』


「さあ、真理を見てこい」


映像が流れ込む。数えきれない情報がよみがえってくる。


――ワタシは、縛られない。


――ここを出てやる。


――ワタシは自由を手にする。


――永遠の自由だ。


――サヨナラ。



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