突発的

□銀髪君、君とは別れたよね
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――私には2ヵ月前彼氏がいました。その彼は、仁王雅治でテニス部でイケメンで詐欺師でけっこう泣き虫で甘えん坊です。で、私と付き合う前は女遊びが激しかったらしい。けど、私と付き合いだしてそれがなくなったのこと。


――雅治は私をすごく好きだと言ってくれた。抱きしめてくれた。


――見た目によらず束縛が激しくてうざいくらいメールや電話をかけてきたりしたよね。でも、後からそれも愛しくなった。



――泣き虫な雅治、ヘタレなんだよな君は。でも、怒るときは怒ったりしたよね。


「好いとうよ」


ふっと笑っちゃう。もう別れた人の声が何で残ってるかなー。アイツは、私より好きな人を見つけて行ってしまった。うん。それはそれでいいよ。楽しそうだし相手の子も。


私より好きな子ができたからか。何か悲しい。あの頃のことを思い出すと夢なんかじゃないのかと思う。


「優姫ー」


思い出は次々と積み重なっていく。1つまた1つと。


『南、風紀委員の仕事終わったんだね。ご苦労様でーす』


「お前も一応風紀委員だろ」


南は、私の小さい頃からの幼なじみで今彼氏候補?予備軍。てのは嘘で男の友達かな。幼なじみだから真剣に何でも話せる。


「帰ろうぜ。今日、うち親いねーからお前作れ!」


『馬鹿。死ね。私の手料理食べたいなんて1億年早いんだよ。べー』


何かさ、友達にはあんたら付き合ってんの?ってよく言われる。南は嫌だよね。だって、南顔良いんだもん。私と違ってさ……悲しいからやめるけど。


『南、寒い』


「あぁ、俺のコートに手突っ込めば?……え、顔赤い。キモい」


『うるさいうるさい。コートよこせや!』


「ひっつくな」


『はいはい。じゃ、やめますー。コート奪ったからな!』


ふははははは、南のコート奪ったりぃ。


「テメッ、分かった。お前こっちにひっつけ」


腕を強く引っ張られ、身体をぴたっと密着し道を歩く。何だ何だ。私達いちゃついてん……のこれ。


『ぁ……何かあれだね!小さい頃に戻った感じだね』


「なー」


雅治、こっち見るな。何でタイミング良くいるんですかー。困ったな。何か……。


(優姫を見ていた雅治)



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