短編

□PNC
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《もしも最強逆ハー主がライトの世界にトリップしたら?》



黒主学園に片山ハルナという転入生が来たと同時に、男子は彼女にくぎ付けとなった。


宵の刻。


私と優姫は夜間部を警備しながら彼女を気にして見ていた。


「見てよ、月。ハルナさん、今日も警備そっちのけで枢先輩達とおしゃべりしてる」


ハルナは一応守護係なんだが、夜間部とイチャコラしている!


『くそ、あれは当て付けか!?彼氏いないからか?ああっ!私はどんどんすたれていく』


ハルナは寮暮らしではなく、理事長の自宅、つまり私達と共同で住んでいる。


理事長が許可した。


あの人、何したいんだろ。


日本人形をかたどった容姿をしていて、人間らしいけど貴族階級でよく分からない。


色恋は人の自由だけれど、ハルナに執着する零や枢先輩達は異常だ。


私はハルナに目線を戻した。


「ハルナ、僕から放れないで」


枢先輩はハルナの腰を引いて自分に近づけた。


「ちょっと、枢ってばみんなの前でやめてよね。はっ、恥ずかしいから!」


ゾワァ、鳥肌が立った。


『どこの昼ドラだよ……く』


全然うらやましいと思えない。


枢先輩……このまま優姫をほっといていいの?


優姫、夜中泣いてますよ。


何故に今まで優姫に執着していたんだってーの。


「ねぇ、零もやめて?みんな見てるよ?」


ハルナは横にいる零を見た。


「……お前が心配なんだよ、玖蘭枢の側に置いていけるか」


「えっ……、零からかわないでよ。本気にしちゃっていいの?」


零は頷く。


おいィィィ!


零、お前そんな男じゃねーだろうが。


「錐生君、そろそろハルナから放れたらどう?」


「先輩こそ放れたらどうですか?」


「2人共、仲良くしてよう」


駄目だこりゃ、頭が痛い。


零、アンタのキャラ崩壊する寸前だからね!


お前正気か!?


そして、藍堂先輩や架院先輩達も加わりいつもと変わらない日がまた始まる。


「月、もう私耐えられない」


私はポンと優姫の頭に手を置いた。


『優姫、私も』


「理事長も、枢先輩も零もっ……もう嫌だよ。何で、みんなおかしくなったの?異常よ」


『確かに』


「……枢先輩、ハルナさんの事好きだよね」


『…………』


ここでうんとは言えない。


「あのね、ハルナさんが枢先輩と零、ううん……夜間部の男子と吸血行為してたの見た。……それも驚くけど、零が吸血鬼だったなんてびっくりしたな」


『う、うん……』


実は私も吸血鬼なの、優姫。


待って。


ハルナって人間なのに枢先輩と吸血行為したという事は……?



『吸血鬼?』


てか、こんなの知った所でこの状況が変わるわけないよね。


「……月、守護係辞めたい」


『優姫、それいいね』


「夜間部なんか守ったって意味ないもん。もう知らない」


『うんうん。じゃあさ、新しい学校で部活とかしたいね』


「あ、いいね。どうせ、理事長もハルナさんにご執心だし……どこに行こうと興味ないよ」


『いなくなってもみんな大丈夫そうだよねー』


手続きが終了したと同時に私達は別の高校に編入した。


その後、私達がいなくなってからハルナさんの魔法は溶けつつあった。


ま、今は学校が楽しくてそんなの関係ないわ。


『優姫ー、学校緊張すんね』


(続くかも?)(月達の編入先はやっぱり2次元関係でした)
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