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□エゴイストは誰だ
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「お、いたいた」



そう話し掛けてきたのは白い狙撃手さん。
陽気に手を振って歩いてくる姿はカッコイイのであろう。



「カウンセリングを受けにきたんですか?」

「いや、会いにきただけ」

「そんなんだから刹那にそっぽ向かれるんですよ」

「ん?厳しいなぁ」



少し眉間にシワがよっているロックオン。
それもさまになるのだから殴りたくなる。




「本当は何ですか」




いらりとしながら尋ねると、陽気に笑いながら、眉間に長い人差し指が突き付けられた。



「すっごい寄ってるな」



質問には答えず、自分を遊ぶその様子にイラッとするのは、自分の心が狭いからなのだろうか。
だとしたらカウンセラー失格だ。

でかかった溜め息を押し込み、目の前で今だ眉間のシワを弄る彼を見つめた。



「俺に見惚れちゃった?」

「しねばいいのに」

「え。・・・悪い、怒らせたか?」

「怒ってますが、大丈夫です。で、用事は何です?」



だから、会いに来ただけなんだよなぁ



楽しげにいうロックオン。



からかうのは辞めて欲しい。
そういう視線を静かに向けると、彼は小さく笑った。



「じゃそろそろ行くか」



笑っているのに笑っていない顔で立ち上がったその姿。

その真っ白で綺麗な指はこれから宇宙で戦うために使われる。


さっさといなくなった彼のいた場所を見つめた。


先程まで彼がその指が触っていた眉間に触れてみる。




そこは平らで、シワなんてよっていなくて、






何故か無性に泣きたくなった。





エゴイストは誰だ
(あぁ自分だった)





なぜカウンセラーにした

そんな謎
(09/06/20)


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