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□ただのバカップル
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食事時。

黙々と食べつづける刹那とその隣で必死に話し掛けるロックオン。
そして、意味もなく同じテーブルで刹那同様食料を口に詰め込むティエリアの隣には、アレルヤがいた。

ロックオンの声が寂しく響くその部屋の扉が突然開く。
驚いて四人がぱっと入口を見ると、整備士である少女がいた。


「アレルヤ」

「な、何かな?」


少女が出すとは思えない殺気にアレルヤはびくつく。
それをみたティエリアは、少女に怯えるなんてガンダムマイスターとして自覚が足りないと言いたいところだったが、流石に空気を読んで黙った。


「ハレルヤ、出して」

「は」

「早く」


ゴメン、ゴメンよ
そう意味もなく繰り返すアレルヤは、奥深くに沈んでいるハレルヤに呼び掛ける。


「うっ」


間もなくアレルヤがハレルヤに代わった。


「なんだよ、おじょーさん」

「セクハラで訴えますよ。まぁいいです。それより、なんで貴方が紅茶をいれるとあんな苦々しくなるんですか」

「あ?ハレルヤ様が入れてやったのに文句言うのか?お前が飲みたいっていったから入れてやっただけだぜ、俺は」

「ほぅ。じゃあなんで自分用に作ったやつは普通何ですか?」

「なんでテメーが俺が自分に作った紅茶の味しってんだよ。勝手に飲んだんだな、ぁあ?」

「勝手に残していったのは貴方じゃないですか。勿体ないから飲んだだけです」

「セクハラ」

「は?いつもいつも勝手に部屋に来て物色していく人が何を言っているんですか」

「・・・あなた達はそんな関係だったんですか」

「「うるさい」」


ティエリアが横槍を入れると、二人揃ってティエリアを睨み付けた。
それにイライラしたティエリアはくだらないと言って食事を終え、部屋からでていく。

また二人はお互いを睨み合った。


「いつもそうやって何か文句をつけてくるよな、お前は。直したほうがいいんじゃねーの、そういうの」

「貴方はそうやって他人の事言う前に自分をどうにかした方がいいと思います。どっかでネジ落としたんじゃないですか?」

「ネジ落としたのはテメーだろ。可愛いげねーな」

「可愛いげなくて結構。まったく、貴方のことなんて大好きです」

「んなこと知ってんだよ。当たり前なこと言うんじゃねーよ、バーカ」

「馬鹿?馬鹿に馬鹿って言われたくないですね。全く心外ですよ」


そのまま続く不毛な言い争い。
それを見ながら食事をしていたくせっ毛の少年は隣の男を仰ぎみた。


「ロックオン・ストラトス」

「あ、あぁ。なんだ?」

「ああいうのを修羅場というのか」

「いや。仲が良いほど喧嘩する、だな」

「そうか」


ちらりと喚く二人をみると刹那は食事を再開する。

ロックオンは刹那に悪影響が出ないうちにさっさと止めないかなと呆れた視線を二人に送る。











つまりはただのバカップル












だが二人は気付くことなく、スメラギに怒られるまで続いたとか。

(09/05/17)


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