「クク、貧相な胸だな」
出会いは最悪だった。
新学期の朝、いつものように目を覚まし虚ろな頭で制服に着替えるために立ち上がる。そしてパジャマを脱ぎ捨て下着を着けようとしてシャツを脱いだ。
上半身は何も見に着けていない状態で暗い部屋に光を取り込もうとカーテンを開けるとそこには奴がいた。
「・・・・・・で、あなたは?」
「殴るこたァねーだろ、俺は昨日引っ越してきたお隣さんだ」
「そのお隣さんが何であたしの部屋を覗いてたわけ?」
「お隣さんだからに決まってんだろ」
はっきり言って、意味が分からない。
しかも銀魂高校の制服を着ちゃってるわけで、しかも持ってる書類には3年Z組の転入って書いてあるわけで、今日からコイツはクラスメイトなわけで。
考えるだけで新学期からブルーな気持ちになった。高杉晋助と名乗る、片目を眼帯で覆った怪しいコイツはそれから毎日のようにあたしに付きまとった。
「相変わらず貧相な乳だな、俺がデカくしてやろーか?」
「遠慮します」
いつ作ったか分からない合鍵を使って部屋に侵入してくる。目を覚ますとアイツは高確率であたしの部屋のテレビを勝手に利用している。
金がないとかで自分の家にはテレビがないらしくてあたしの部屋のテレビを使っている。しかも朝ご飯までご丁寧に作ってくれる、もちろんあたしのお金で自分の分まで。
何かとあたしの家に入り浸っていて、もう同居しているといっても過言ではなくなってきてしまっている。
「パジャマ肌蹴てんぞ、犯されてーのか?」
「・・・勝手に人の家のテレビで如何わしいビデオを見ないで」
「俺はSMが好みなんだよなァ」
「知らないわよ、アンタの趣味なんて!」
リモコンで朝のニュースに切り替えると拗ねた顔でこっちを見てくる。
無言で晋助の作ってくれた朝ごはんを口に運ぶ。無駄に料理だけは上手であたしの大好きな紅茶を毎朝淹れてくれたりしている。
そんな隣人のことを、あたしははっきり言ってどう思っているのか分からない。最初はただの変態だと思っていたのに、今ではどうしてだろう。
「・・・クク、俺に惚れたか?」
「そう、かもしれない」
朝起きて、晋助が部屋に居なかった寂しい、落ち着かない、晋助を求めてしまう。
2人で何でもない会話をしている時間がとてつもなく好きになってしまって、晋助があたしの名前を呼ぶたびにドキンと胸が脈打つ。
そう、あたしは晋助が好き――・・n e i g h b o r
( 隣人は変態で好きな人 )
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86100/憂さま
遅くなり申し訳ありません!
そしてこのクオリティ……
書き直しますので言って
くださいね!
華穂(10'0809)